【神宗一郎】となりのまつ毛くん【スラムダンク】【夢小説】 (ページ4)

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続々と教室に生徒たちが入ってくる。

大佛(おさらぎ)にとって見知った顔も多かった。

やれ同じクラスだのなんだの話している同級生たちに目も向けず、大佛は神と話し続けていた。

大佛は決して、初対面の人と話を盛り上げることは得意とは言い切れなかった。

しかし、神とは無理をせずとも会話が盛り上がっていた。

大佛にとって、とても心地の良いひとときだったのだ。

「神くんはさ、ブカツどーすんの？」

「オレはバスケ部に入るよ。」

「エ！海南(ウチ)のバスケ部ってケッコー強いんじゃないの？」

大佛が目を丸くして尋ねると、神はコクリと頷いた。

「ああ、県下だとナンバーワンだね。」

「スッゴーイ！あたしも実は、ミニやってたんだぁ…海南附属小のミニバスでね。」

大佛はポリポリと頬を掻きながら言った。

「へぇ、そうなんだ…！っていうことは、ずっと海南なんだね。」

「そ！幼稚園からエスカレーター。海南が染み込んでるってカンジ！」

「おでんの大根みたいだね。」

「ダイコン？」

大佛は目を瞬かせた。神のきれいな顔と声から発せられる言葉は、時折突拍子もないものがあった。

「うん、オレおでんの大根好きだよ。美味しいよね。」

「エッ、そうなんだァ…あたしは普通かな…」

少し戸惑う大佛だったが、神は何食わぬ顔で話を続けていた。

「いつか、Aともバスケやってみたいな。」

「え！ムリだよあたしなんて…」

「…Aはオレとやりたくない？」

少し上目遣いで覗かれ、大佛は咄嗟に視線をそらした。

「そ、そういうわけじゃないよ！」

「じゃあ約束しよう。」

そう言って神は右手を小指だけ立てた状態で大佛に差し出してきた。

大佛はおずおずと右手を差し出した。

そっと小指同士を絡めあわせられた。

…神の透き通った瞳は、大佛をとらえつづけていた。

その約束は、近い日に叶えられることになった。