【神宗一郎】となりのまつ毛くん【スラムダンク】【夢小説】 (ページ2)

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＿＿4月。

肩書が『中学生』から『高校生』になるくらい。

通う場所も大して変わらず、知った顔も多い。

進学といえど、進級となんら変わらないでしょ……

そう、思っていた。

張り出されたクラス分けの紙から自分の名前を探し出し、教室へ向かって足を進めた。

途中、見知った友人らと顔を合わせ、何組〜？などと会話を交わした。

友人らはそれぞれ別のクラスだったらしく、少し会話を弾ませた後、高校でもよろしくねーと手を振った。

さて…と左腕につけた、父親からの高校入学祝いである腕時計に目をやる。

指定の集合時刻よりだいぶ早かった。

席で音楽でも聞いていようか…そう思い、1年5組…1年間過ごすこととなる教室へ足を踏み入れた。

黒板に貼られた座席表を眺める、背の高く細身な男子生徒がいた。

でかぁ〜…と気後れしていると、彼はつかつかと歩いて自分の席に腰を掛けた。

僅かに見えた横顔に、少しの間目を奪われていた。

ハッとして、大佛(おさらぎ)も座席表を確認する。

座席は1番左後ろ、個人的にはうれしい席だった。

ふと後ろを振り返り席へ歩こうとすると、大佛の隣の席に座っていたのは、先程の高身長の男子生徒だった。

座席表にもう一度目を向ける。大佛の隣の席には、「神宗一郎」の文字があった。

＿＿かっこいい名前だな…

彼は机の横に置いたカバンからガサガサと何かを取り出そうとしている様子だった。

大佛は、意を決して席へと歩いていく。

カツカツと音を立て歩き、椅子を乱暴に引き出して腰掛ける。

そのまま彼の元に向き直って、笑顔で言った。

「はじめまして！よろしくね！長身ボーイ！…カミくん？」

「…神(じん)です。」

そう言い、神の瞳が大佛に向けられた。

…目が合った瞬間、心臓がドクリと鳴った気がした。

透き通るような白い肌に、整った顔立ち、くりくりとした瞳から伸びる長いまつ毛。

きれいな人だ、と思った。

しかし、特別にタイプというわけではなかった。

だが…“私はこの人に恋をする気がする”

そんな予感がしていた。

…こういうときの女の勘は、当たるものだ。