勝利チャイム�� ページ9
オオガミに言われて、俺はベッドで眠る彼女の顔をまじまじと見つめた。
「どうしたのくじらくん？ 好みの顔だった？」「ばっ……違ぇよ！！」
イルカがにやにやしながら言ったので、慌てて顔を離した……が、本気で見覚えがない。
「……何で知り合いだと思ったんだ？」
「……運んでる途中に、こいつが言ってたんだ。くじら、って」
路地裏で目覚めたオオガミは、近くにアンナさんが血を流して横たわっていて、咄嗟に抱き起こしたらしい。
「それって、はたから見たら結構マズい状況なんじゃないの？」
「そうだな……ってそうじゃねぇ！！ 何か、くじらは逃げられない、逃れられない、逃れようとしないから、貴方は逃げないからとか言ってたんだ」
アンナさんらしからぬ口調で、うわごとのように繰り返し呟いたのだという。
「さっきゲームで処刑された奴だしよ、どうして良いか分からねぇだろ？ 怪我もしてたからとりあえず運ぼうとしたんだ。そしたら……」
あの女が、とオオガミは言った。
「アネモネが、路地裏の入り口にいたんだ」「え……アネモネさんが！？」
「あぁ、なるほどね。だから僕の家が分かったんだね」
アネモネさんは一度来た事があるからね、と言いながら、イルカはズボンのポケットから、二つの物体を取り出した。
「はい、これ。お店の床に落ちてたくじらくんのスマホと、椅子の上に置き去りになってたオオガミくんのスマホ」
「あ、あぁ……ありがとう」
素直にお礼を言った俺だが、隣のオオガミは真っ赤なスマホを、イルカの手から乱暴に取った。
「……中身、見てねぇよな？」
「まさか！ そんな泥棒みたいな事はしないよ。そこで盗み聞きをしてる、姐さんとは違ってさ」
部屋の空気が、一瞬凍りついたような気がした。
「……え」
「くじらくんは気づかなかったでしょ？ 多分、オオガミくんの後をこっそりつけて来たんだ」「……姐さんって……」
どっちのだ？ と聞こうとして、気づいた。イルカの知る姐さんは、一人しかいない。
「……アネモネさん……！？」
「……はぁ。さすがイルカね。何もかもお見通しってわけね」
壁の後ろから現れたアネモネさんに、俺は驚きよりも、喜びがこみ上げるのを感じた。
「アネモネさん……！！」
「あんたは今は良いから黙ってて」
「あはは、冷たいねアネモネさん」
イルカは笑って、アネモネさんとオオガミに目を向けた。
「さて、それじゃあ話して貰おうかな。この件の裏で、誰がどう動いていたのかをね」
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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