勝利チャイム。 ページ7
――なァ……。
……おい、“くじら”。
返事しねェなんて、良い度胸じゃねェか。
……あ？ オマエは誰だって？
オレが誰だろうとテメェには関係ねェ。
全てはオレの意志だ。そうだろ？
……ケイ？ 誰だソイツ？
オレは知らねェが？ ……あァ、時間だな。
そンじゃあな？
「くじら――」
「……！？」
急に近くで名前を呼ばれて、俺は飛び起きた。
「――くん？」
突然飛び上がって目を覚ました俺に、目を丸くしていたのは、イルカだった。
「……あ、あれ？」
淡い水色の壁と天井。同じ色のベッド。俺の住むマンションなんかとは比べ物にならない、真新しくて清潔感のある部屋だった。
「ここは……」
「僕の家だよ。良かった……目を覚ましたんだ」
イルカは微笑んで、空色のお盆を手に、近づいて来た。
「……ゲームに、勝ったんだね」
「……ああ……」
助かった……俺はあまりの安堵に、恐らくイルカのものであろうベッドにごろんと転がった。ふかふかの羽毛布団が俺を包み込み、10月にジャージ姿の俺には少し暑く感じられた。
「ふふ、お疲れ様。でも、君なら勝てると思ってたよ」
「……よく言うよ。俺をゲノム事件とかいうやつに巻き込んだのはお前だろ」
「その節は本当にごめん。これはそのお詫びだと思って」
イルカはお店にあるようなストロー付きのドリンクを、お盆からベッド脇の台に置き換えた。
「僕の手作りなんだけど、美味しいよ」
「……ジュースか？ それともコーヒー？」
「良いから飲んでみて。喉乾いてるでしょ？」
イルカの言う通り、俺の喉はからからで、声を出しづらかった。俺は素直にドリンクを飲んだ。
「……ブッ！！」
嘘だ。飲もうとして吐き出した。
「ちょ、どうしたの！？」
「ど、どうしたのって何だこれ……！？ 凄く塩辛いんだけど……」
咳き込む俺だが、イルカはきょとんとした表情を浮かべるばかりだ。
「のり塩ケーキ味のシェイクだよ？ 塩辛いのは当たり前でしょ」
「……えっ」
俺の脳は、味を聞き取る事を拒否した。
「……そ、そうか……俺、もう良いわ。えっと、そういえばオオガミは……？」
「え？ 先に帰ったんじゃないの？ 僕が帰った時には、くじらくんは机に突っ伏して寝てて、彼の姿はなかったけど……オオガミくんも参加してたの？」
もー、と俺のこぼしたシェイクをタオルで拭きながら、イルカは首をかしげた。
「君を家まで連れて来るの、大変だったんだから感謝してよ？」
その時、チャイムの音がした。
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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