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SC「文俊輝はどこにいるの？」
WN「教えるわけないでしょ」
SC「だよねえ」
居酒屋で向かい合って座りながら話をする。
彼はお酒、俺は普通のお茶を頼んだ。
酔ってしまったら思わず余計なことを言うかもしれないという警戒心が故だ。
あの頃と同じような感覚で俺に距離を詰めていくヒョン。
俺の中では今じゃすっかり天敵だけど。
というか何でジュンの本名知ってるんだ？
ネットで調べたのだろうか。
WN「あの子の行方を知りたいから俺を誘ったんですか？」
SC「え？それ以外何があるの？」
WN「帰ります」
SC「待ってくれよ。冗談だって！」
席を立った瞬間、ヒョンは俺の手首をガシッと掴んだ。
謎に怪力なの、どうにかしてくれ。
SC「まあ座れ」
WN「……」
冷たい視線を送り、黙々と座る。
SC「なーんか、ふと懐かしい記憶が蘇ってね。ウォヌと一緒に研究に励んだり、色んな学説を唱えたりしたなって」
WN「……はい」
SC「純粋に会いたくなっちゃったってわけ」
WN「で？」
SC「泣いちゃうからやめてそれ」
色々警戒しているので、敢えて冷たくするしか方法はない。
SC「教え子が出来たのはびっくりしたよ」
WN「教え子？」
SC「二人いたでしょ？」
恐らくAとスングァンのことだろうか。
WN「あの二人は大学の後輩ですよ」
SC「ありゃー？そうだったのかあ。これは失敬」
もう何か、色んな話題が出るけど話が続かない。
埒が明かないと判断した俺は、わざとこんなことを聞いてみた。
WN「で、プロジェクトってのは進んでるんですか？」
SC「ぜーんぜん。何回も失敗するし何にも進展ないし。もう疲れまくりよ」
でしょうね。
明らかに現実離れしてんじゃんバカじゃないのってのを貴方は狂ったようにチャレンジしようとするんだから。
「やれば出来る」にも限界があるんだよ……。
俺の周りの人間も同じことを言っているが、ヒョンは言うことを聞かない。
だから誰にも止められない。
SC「でももしこれが成功したら」
WN「……成功したら？」
SC「俺は誰にも得られない地位を、得られるのかな」
野望を抱くその言葉の裏に、俺はどこか哀しさを感じた。
これを「可哀想な人」と呼ぶには、余りにも残酷な気がした。
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らん(プロフ) - なななさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです(^^) (2022年10月16日 21時) (
レス) id: 0ecbff2ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - このお話ほんとに面白くて好きです(TT) (2022年10月16日 18時) (レス) @page42 id: 06e77ab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2022年9月24日 19時
