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はぁ、とため息をついてエレベーターに乗り込む
まもなく上昇しはじめた箱の中で、先程の彼のことを思った
もし、北斗さんと付き合うことになったらどうなるんだろう
まさか、北斗さんと恋人になるかどうかで悩む日がくるなんて、と不思議な気持ちになる
そうしている間にもアナウンスが流れてエレベーターが目当ての階で止まる
今日はもう疲れたから早めにベットに入ろう
そう考えながら、鞄の中にあるカギを手探りで探す
ドアが開いて一歩踏み出すた、と同時に私の体はその場から動けなくなった
私の部屋に佇む人影
壁に背を向けてどうにも気だるけだった
不審者なら迷うことなくエレベーターにもう一度乗り込むのだけれど、生憎その影は私の知る人だった
『…樹』
つぶやく声と同時に、彼がこちらに気づき微笑んだ
危うく落としかけた手の中のカギをぎゅっと握った
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作者名：める | 作成日時：2020年8月21日 22時
