指先の熱【Hokuto/Juri】 (ページ3)

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『っ、？！、』

北斗「今日はこれで我慢しておく」

その笑顔はまるで悪戯が成功した子供みたいだった

でも、その中に25歳の男性らしい大人の色気もあるのだから彼は恐ろしい人だ

かぁっ、と頬に熱が集まる

驚きと恥ずかしさから口ごもっていると、北斗さんはまた愛しそうに私の髪をひと房すくってその指に絡めた

北斗「引っぱたかれないってことは期待してもいいのかな？」

『……あまりからかわないでください』

この程度で赤くなって狼狽えるなんて。と言われているようでいたたまれない

これ以上北斗さんのペースに飲まれないためにも、私は急いで車をおりる

『送っていただいてありがとうございました』

北斗「残念、逃げられたな」

『もう！そういう言い方はやめてください！』

北斗「はは、冗談だよ。それじゃあ俺は帰るけど」

おやすみ

おやすみなさい

一度だけエンジンを蒸して発信した車はあっという間に夜の街に消えていく

私もその場から動けずに、テールライトが見えなくなるまで見送った