……《７》 ページ9
＊
ここが、その向日葵畑。
……見た通り。
「……綺麗でしょ？」
「……うん」
陽射しが、ただただ暑かった。
向日葵の橙色が、目に眩しかった。
本当に、それだけの場所。
(……あれ、)
……だけど、オレはあるものを見つけたんだ。
花の橙、葉の緑……その他に、何か白いものを。
(あれは、帽子か……？)
向日葵達の最前列、その根本に、小さな花の飾りがついた白い帽子が落ちてた。
……落ちてたっていうよりは、置いてあったように見えなくもないけれど。
向日葵の根本に立て掛けられてるようだし。
「あれ、何でこんなとこに帽子があるんだろ」
持ち主らしき人は近くにはいない。
だけどその帽子はまるで「持ち主さんは多分すぐ戻りますよ」と言っているかのようにも思えた。
誰かが、来てるのか……？
「……きっとボクみたいなイタズラ好きの女の子が、どこかにかくれんぼしてるのかもね！」
「悪戯好きなの、お前」
「あ、うん！言うの忘れてた」
てへへ、とまた自分の頭を軽く叩いて、彼女は次の場所に向かうためにテスラ号へ戻ろうとする。
そんな彼女に、オレは少々慌てつつもついていった。
……だけど歩きながら一度、向日葵畑の方を振り返った。
もし、あれが持ち主の意図をもって置かれたものじゃなく、忘れ物だったとしたら……？
届けてやった方が良いんじゃないか……？
「アタリくん、乗って」
「……おう」
「次が最後だよ。
お待ちかね、アタリくんのお家！」
レッツゴー、と掛け声を上げてレバーを動かすテスラによって、乗り物は再び上昇していき、空の中へと入っていく。
その高所の風を受けながらも、オレはまだ何故だかあの帽子のことが気になって頭から離れないのだった。
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レウィシア(プロフ) - 眼鏡。さん» あ、ありがとうございます……（号泣）。ちなみにプロローグ最後の詩は歌なので、実は歌えます（オープニングテーマ的な）。アタリくん好き増えろと思いながら更新がんばりますb (2018年2月4日 15時) (
レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡。(プロフ) - え、凄い(°д°)既に何か引き込まれました…詩(?)が格好良い！更新ファイトです(´ω`*) (2018年2月3日 23時) (レス) id: 01fa02b1aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レウィシア | 作成日時：2018年2月3日 18時
