……《９》※夢絵注意 ページ11
「……彼女達はね、とっても心配性なの」
「……え？」
空を見上げて、彼女は言う。
オレも一緒に上を見た。
"彼女達"っていうのは、一体誰なんだろう。
その人は続ける。
「夕方頃になるとね、お日様が向こうに沈んで行くのだけれど……。
この子達は、夏になると毎日それを見守っているのよ」
そう言ってその人は、近くの向日葵を撫でる。
「向日葵が……心配性？」
「そう……ふふ、こんなに沢山の子達に見られたら、お日様も沈みづらいでしょうにね」
「…………」
今までそんなの、考えた事も無かった。
向日葵はただの花で、太陽はただの太陽。
心配だとか沈みづらいとか、普通はそんなの考えたりしない。
だけど……。
「この子達には、"貴方だけを見つめる"という言葉が込められているでしょう？」
「……花言葉の事？」
「そうそう……。
彼女達が見つめているのって……きっと心配だからなのかしらね」
うふふ、とその人は小さく笑った。
何だかこの人にそう言われると……向日葵達や太陽が本当にそう思っているような、気がする。
実際にそうじゃないんだろうけど、どこか"そうかも知れない"と思わせる所がある。
すごく、不思議な人だ。
「これからこの島で、色々な出来事があるでしょうけれど……」
くるり、振り返る。
長い髪が風を孕んで、柔らかく靡いた。
「……今日から、よろしくね。……アタリくん」
「うん……よろしく」
……その日は、まるで徒競走の後のようにドキドキしていた。
Episode 2.その日は、気になることばかりで……。→←……《８》※夢絵注意
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レウィシア(プロフ) - 眼鏡。さん» あ、ありがとうございます……（号泣）。ちなみにプロローグ最後の詩は歌なので、実は歌えます（オープニングテーマ的な）。アタリくん好き増えろと思いながら更新がんばりますb (2018年2月4日 15時) (
レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡。(プロフ) - え、凄い(°д°)既に何か引き込まれました…詩(?)が格好良い！更新ファイトです(´ω`*) (2018年2月3日 23時) (レス) id: 01fa02b1aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レウィシア | 作成日時：2018年2月3日 18時
