寝起きのはなし。 ページ5
「…ぉ、…颯、…きて、颯、起きて。」
「ん…、いざ、わさ、…?」
見慣れた天井と、好きな人の声と、テレビから聞こえていると思われる音声。
うん、いつも通り。
最近やっと見慣れた天井。
同棲して初日は隣にあの人が寝ていると意識してしまうと緊張して眠れなかった。
あの日は睡眠不足で講義中は必死に起きていたけど、それ以外の時間は机に突っ伏していた気がする。
伊沢さんは俺より起きるのが早い。
起こしてくれる時の声が好きだからいいんだけど、偶には俺が早く起きて伊沢さんを起こしてみたい。休日やってみようかな。まぁ、何度も失敗してるんだけど。
伊沢さんは起きるとすぐテレビをつけてニュースを聞くみたい。知識王ってすげぇなぁとぼんやり思う。
伊沢さんは自炊ができるから、朝ご飯をつくってくれる。俺もできることはできるんだけど、伊沢さんの方が上手だから。
伊沢さんはいい主夫になれると思う。
まぁ、俺の以外有り得ないんだけど。
俺の伊沢さんだから、他人にはやらないけど。
休日くらい伊沢さんには休んでいてほしいのに、伊沢さんが、
「俺がやるからいいよ、颯は講義疲れただろ?」
と言ってやらせてくれない。
伊沢さんだって会社経営で忙しいじゃないか。
それプラス番組出演、動画撮影等。
俺の方が疲れてない、伊沢さんの方が大変なのに。せめて、手伝わせて。起こして。
伊沢さんと一緒に調理してみたいし。
まぁ、寝起きは確実に頭が起きていないから無理だろうけど。
「伊沢さ…、ぁ、?…おはよ、ございます、」
挨拶はしっかり。これ基本。
「ん、颯おはよ。ご飯できてるから一緒に食べよう?」
首を縦に動かし、ベットから出る。
まだふわふわした感じ。足がおぼつかなくてふらっとよろける。
それを見逃さなかった伊沢さんが瞬時に俺の横にきて、支えてくれる。
「危ないから、一緒に行こうか。」
「すみませ…、」
はぁ、支えてもらってばっかりなんですが。
何にもできないじゃん、俺。
伊沢さんからやってもらってるだけだぁ。
少し気分が落ち込む。
でも、それはリビングに行くと一気に晴れてしまう。何故なら、美味しそうなご飯がテーブルに並んでいたから。
流石としか言い様のない程、上手い。
もう、匂いから美味しいことが伝わってくる。
やっぱり次の週末は伊沢さんと一緒に朝食つくろう。そう決めた。
2人で向かい合って座る。
「いただきます。」
今日も一日が始まる。
終わり方迷子()
あの動画を見た時のはなし。【1】→←あの番組の後の時のはなし。【3】
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宙(プロフ) - ユリアさん» ありがとうございます!、拙い文章ですが頑張ります。 (2020年3月12日 9時) (レス) id: eb0516551b (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - izmz(合ってます?)可愛いです(*´∀`*)、頑張ってください! (2020年3月12日 3時) (レス) id: a37b41dbad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宙 | 作成日時:2019年6月24日 7時