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「もう話しかけへん、しんどいって言われたんやで…」
冷たく言い放った神山くんを思い出して、涙が出そうになったがグッと堪える。
赤「Aにしんどいって言うたわけやないと思うけどな」
「…は、え?……どういうこと…」
赤「あぁッ!あんまり言うたら神ちゃんに怒られる…!」
「重岡くん??」
うわぁぁ、と言いながら一人で頭を抱えてる重岡くんをジッと見つめる。
ホンマに意味わからん。
赤「とにかく、その神ちゃんに使いやすいって思われてるとか考えたらアカン。ええか!」
「は、はい…」
赤「あと!」
ビシッと指をさされて、背筋がピーンとのびる。
赤「…神ちゃんのこと、そんな怖がらんとってな?」
「え…?」
赤「ホンマはめっちゃ優しい人やねん」
そう言うて重岡くんは切なそうに笑った。
…神山くんが告白してきた女子に対してあんな態度をするんは、何か理由があるんかもしれへん、とそう思った。
赤「じゃ、俺行くな」
私は降りていく重岡くんの背中を静かに見つめる。
するとピタリと止まって、またこっちを振り返る。
赤「ちゃんと、神ちゃんに好きって言えたらええな」
「…えっ……え!?」
赤「顔真っ赤やで」
ニヤニヤと笑いながら、私の前から姿を消した。
まさか重岡くんにバレとったなんて…。
私はその場へと力なく座り込んだ。
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作者名:Aqua. | 作成日時:2021年11月29日 20時