優しい神山くん？【JW】 (ページ16)

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１６．ページ16

「…はぁ、はぁ………しんどっ！！！」

なぜこんなにも息が切れてるかって？

現在お昼。

朝からずっと神山くんを避けているのだ。

話しかけられへんように休憩時間はなるべく教室から出て行き、トイレへこもって、移動教室の際は先に行って、授業始まるギリギリまで移動教室の近くをブラブラしたり……と。

そして、四限目終了のチャイムが鳴ってすぐ。

緑「Aさん」

「…ひぇっ……」

私の席の前にはニコニコしてる神山くんが。

顔は笑っとるけど、目は笑ってへん。

教室やから私のことを「さん」付けで呼んでるが、それがなおさら怖い。

逃がさへんぞ、と言わんばかりの表情。

…ごめんなさい、神山くん。

「……よっ、用があるんでッ！」

緑「ちょっ、待てや！！」

「無理です！」

冒頭で私が息切れてたんは神山くんに追いかけられたから。

なんとか逃げ切ったものの、私の体力は限界を迎えてた。

神山くん速いんやけど！…私、よぉ振り切ったな。

…てか、ここ東棟やん。こんな所まで来てたんか。

私は階段へと腰を下ろして息を整えた。

流石にここまで来やんよな、神山くん。