四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ46)

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－四ツ目神(新) ページ46

「お父さん、お母さん、望……今、助けるからね」

私は池に写真をそっと浮かべた。

指先に宝剣をすべらせ、そこからあふれる血を見る。

一瞬、嗅ぎ慣れた匂いがした気がしたが、首を振って払う。

──ごめんなさい。

柏手を一つ打って、唱える。

「現身の身にも心にも罪といふ罪あらじと
四ツ目の魂時を戻し給へと白す事を
聞食せと恐み恐み白す──」

祝詞を唱え終えると、鏡池がまばゆい光を放った。

「───っ！」

あたり一面が真っ白な光に包まれて、何も見えなくなる。

？「──おーい！ええ加減起きろよ！A！」

「──ッ！」

私はハッと目を覚ました。見慣れた天井が見える。

桃「やっと起きたわ。ほらもう朝飯できてるって」

「…望？」

布団をはぎとってしかめっ面をしているのは、私の双子の兄の望だった。

「…生きてる？」

桃「まだ寝ぼけてんな。
怖い夢でも見たんか？顔真っ青やで」

「……望が、いない夢だった」

桃「オレ？」

「あと、お父さんとお母さんも……生まれてからずっと……」

望と、お母さんと、お父さんが死んじゃっている夢。
──あれは、本当に夢だった？

桃「…ひどい顔やで。夢や夢、ほら顔洗ってき」

望は私の頭をポンポンと軽く叩いて、部屋を出て行った。

「……」

先程叩かれた頭に手をやる。いつもなら嫌だと思うのに、何故か嬉しかった。

桃「いってきまーす」

「待ってよ、いってきます！」

黄「行ってらっしゃい」

真「行ってらっしゃい、気をつけてね」