四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ26)

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黄『はぁ……はぁ……』

橙『え、淳太兄さん……？』

黄『突然すまん、この子を預かってくれへんか』

橙『え、赤ん坊…！？』

黄『照史、おまえが正しかった。あの村は狂ってたんや』

橙『兄さん、一体何が……』

黄『あんまり長居はしてられへん。村にまだ真由美が残ってる。二人連れ出すんは無理やったんや……A一人で精一杯やった』

橙『……真由美義姉さん』

黄『中間から出て行ったおまえに頼むんは筋違いやというんは分かってる。でも、もうお前しか頼れへんかったんや。
真由美を助け出したら必ず迎えに来る！やからそれまでどうか────』

母『淳太はどこへ行ったのです！』

紫『おそらく淳太兄さんはAを連れて出て行ってしまったんや』

母『そんなことあるはずがありません！』

紫『母さん、母さんが愛した淳太兄さんは、もう変わってしまったんよ』

母『何を……』

紫『きっと淳太兄さんは真由美義姉さんの影響でおかしくなってしまったんや。
あんなチクショウバラの女、淳太兄さんに何を吹き込んだか、わかったもんやない』

母『！』

紫『巫女の力って言うけど、実はモノノ怪の類やったんやないかな。じゃないと、神聖な巫女が犬や畜生のように一度に何人も身篭るはずがない…』

母『……』

紫『あの女性(ヒト)は村の厄災や。母さんと父さんがこの村を守らんと』

母『………そうです。私が村を守らなければ』