四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ23)

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真『あの……今、なんとおっしゃいましたか？』

紫『きたる彼岸の日、伝統通り儀式を行います』

母『この子とはもう会えないと思いなさい。そう言ったのですよ』

真『な、何故ですか』

母『この子が “忌み子(いみご)” だからです』

真『いみ、ご……』

母『双子はこの村に災いを呼び起こします。その前に四ツ目神にお返しするのです。忌み子送りの儀まで、この子は私が預かります』

真『そんな…！ま、まってくださいお義母さん！』

母『あなたには、長子であり中間家の跡継ぎになるAがいます』

真『Aも望も私の子どもです！』

母『忌み子は、あなたの子どもではありません。まして淳太の子などでは……忌み子が中間家に産まれるなど、許すわけにはいきません』

真『お願いです……やめてください……！この子は、望は忌み子なんかじゃありません！』

母『あなたに必要なのは休息と、落ち着いて物事を考えられる頭のようね。そのように取り乱して』

真『私は取り乱してなんかいません！望を返して！』

母『何度言えば分かるのです。この子に名はありません。四ツ目神にお返しする忌み子に名は必要ないのです。この子はこれから忌み子と呼びます』

真『望は忌み子なんかじゃありません！返して！！』

母『この子を黙らせなさい。産後で気が立っているのです。ここでしばらくの間、頭を冷やしなさい』

紫『はい、母さん』

真『嫌……！やめて！離して！』

真『そんな、お義母さん！ここから出してください！』