四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ1)

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－形代ページ1

「リュウセイくん、どこへ行っちゃったの？」

桃「あいつ……たぶん本殿やな」

「本殿？」

桃「四ツ目神がおわす所や」

緑「行こう、嫌な予感する」

本殿は、拝殿の奥にあった。

普段、人が立ち入る事ができない場所。神様のおわす所。
その入り口にリュウセイくんは立っていた。

青「………」

桃「リュウセイ、本殿には近づくなって言うたやろ」

赤「リュウセイ、ほら！こっち来いよ！」

緑「リュウセイ、こっちへ来るんや」

青「………」

リュウセイくんはイミゴたちの声が聞こえていないようで、じっと扉を見つめている。

「リュウセイくん、どうしたの……？」

声に反応するように、ゆっくりとこちらを振り返る。

？「……ようやく、来てくれた……」

「リュ……リュウセイくん？」

？「長かった。ずっと寂しかった、苦しかった、悲しかった。でも、ようやく……ようやく……」

様子があきらかにおかしい。まるでリュウセイくんの声じゃないみたいだ。

ただならぬ様子に、じりじりと後ずさった。

桃「リュウセイ！目ェ覚ませ！おまえはリュウセイやろ！」

イミゴがリュウセイくんのもとへ駆け寄り、お面を外す。
お面をとられたリュウセイくんはしばらくぼーっと焦点の定まらない目で虚空を見つめていたが、次第に目に光が戻っていった。

青「イ……ミゴ…にぃちゃん……？」

桃「そうや」

青「おれは…？」

緑「リュウセイ、なんで本殿に？ここには近寄らんように言うたやろ」

青「……わからん。思い、出せへん」

リュウセイくんは困惑しているようだ。

緑「ここにおっても仕方ない。拝殿へ戻ろう。形代も探さんとあかんし」

赤「ほらリュウセイ、行くで」

青「…うん」

ダイキくんがリュウセイくんの手をとり歩き出す。
私たちはそれに続いて拝殿へと戻った。