四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ48)

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桃「Aー！置いてくで」

「あ、望、まってよ───うわっ！」

小さな段差に足がつっかかり、そのまま前のめりに転びそうになる。

──ドサッ

？「危な、大丈夫やった？」

「す、すみません！」

顔を上げると、私を支えてくれた見知らぬ人が微かに笑っていた。

？「気をつけるんやで」

「は……はい。ありがとう、ございます」

？「じゃあな」

手を軽くあげて、その人は去ってしまった。

「……」

桃「何やってんのや」

「望…さっきの人、見覚えある？」

桃「助けてくれた人？いや、知らん。っていうか顔ちゃんと見てへんかった。何、Aの知り合い？」

「ううん…」

桃「なんや」

「でも、なんか……私大事なこと忘れてるような……」

必死に思い出そうとしたけれど、霧のようにぼんやりとして思い出すことはできなかった。

桃「分かった、好みの顔やったんや」

「ちが……！いや全然違うわけじゃないけど！」

桃「宿題を家に忘れてきたんやない」

「違うよ！あーもう望が変なこと言うから思い出せないじゃない」

桃「オレのせいかよ」

「望のせいだよ！もー……学校で考える」

桃「すぐ忘れるやろうな」

「そういう事ばっかり言う！」

桃「はははっ」

私は望を追いかけながら、学校へと向かった。

───END 四ツ目神(新)