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朝学活が終わり、一時間目の数学の時間が始まった。
俺は数学が苦手だ。
退屈なので、いつもの癖で校庭を眺めていると、ただ一人、キラキラして見える人物がいた。
和泉のクラスは体育か。
和泉、今日も頑張ってるなぁ
格好いい...
サッカーボールを一生懸命追いかけている姿を見ると、和泉の何もかもが愛しく感じる。
そういえば、和泉と初めて話した日もこんなよく晴れた日だった。
俺が日直の日、担任に頼まれて大量のノートやらプリントやらを一人で運んでいた。
その日はちょうどもう一人の日直が休みだった。
何で俺がこんなことやらなきゃいけないんだよ...などと愚痴をこぼしながら廊下を歩いていると、なんせ前がほとんど見えないため、ちょっとした段差があることに気が付かなかった。
その段差につまづき、ノートやらプリントやらを床にぶちまけてしまった。
あーもうなどと言いながら一人で落としたものを拾っていると、上から声が降ってきた。
「大丈夫ですか?」
俺は、その時、ダサいところを見られたなと思い、答えるのも億劫だった。
『あ、大丈夫です。』
といったが、その人は俺が答える前に拾い始めてくれていたみたいで、そのまま二人とも無言で落としたものを拾っていた。
全部拾い終わると、その人が、それを差し出しながら、
「これ、どうぞ。」
と、言ってきたので、お礼を言わなきゃと思い、顔をあげた。
その顔を見た俺は固まってしまった。
何故なら、その人が、あまりにも美少年だったからだ。
あまりにも長い時間、俺が固まっているので、その人は不審に思ったのだろう。
「あの...?」
といってきた。
『あ、ありがとうございます。』
俺はそう言った
だが、問題はこのあとだ。
その人が、微笑みながら、
「これからは気を付けてくださいね。では。」
といって、立ち去っていったのだ。
俺はその微笑みにやられた。
その日から俺はその人のことが気になって仕方なくなった。
和泉一織という名前も知った。
俺からどんどん話しかけに行った。
今では名前も覚えてもらっている。
途中で気づいた。
俺は和泉の事が好きなのだと。
気づいたときは嬉しくあると同時に不安でもあった。
男同士なのに。
相手はアイドルなのに。
でも誰かが言ってた。
「人が誰を好きになろうと自由」だと。
じゃあいいじゃんってなった。
それで今に至る。
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九瀬舞華@江口くん恵海ちゃん推し(プロフ) - 橘 柚羅さん» ありがとうございます!これからも頑張ります (2019年2月17日 11時) (レス) id: 5b1e3a10bf (このIDを非表示/違反報告)
橘 柚羅(プロフ) - 面白いので更新頑張ってください♪ (2019年2月17日 11時) (レス) id: ddf2424aad (このIDを非表示/違反報告)
九瀬舞華(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!凄く励みなります!これからもよろしくお願いします! (2019年2月1日 23時) (レス) id: 5b1e3a10bf (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白い!投稿頑張ってください! (2019年2月1日 23時) (レス) id: 769120c3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九瀬舞華@江口くん恵海ちゃん推し x他1人 | 作成日時:2019年2月1日 20時