IMPROVE_8 ページ23
その後、401の2人も戻ってきたところで4人が報告を終えたから分駐所に帰る、と言い出した。
『…分駐所って仮だけどここじゃなかったの?』
「あー…それがちょっとなぁ!」
「4機捜は別なの!!とりあえず来れば分かるってー!Aちゃん休憩明けに俺らが送ってくから休んできなよ!」
『え、お邪魔じゃ…』
ふと湧いた疑問を口にすれば、陣馬が口篭り、伊吹は嬉しそうに先導を始めようとする。その上、仮眠後に送ってくれるとまで言い出した。一未と家族であるとはいえど、これは職権乱用にならないのかななんて怖々と一未の顔色を伺うべく、隣を見上げた。
「…いいよ、危ないから密行の時に家寄るから休んでな。お前今日朝から現場だっただろ」
『…じゃ、お言葉に甘えて』
「ん、そうして下さい。帰れたか心配してるよりずっとマシ」
ぽすん、と頭に乗った大きな掌。きっと、男性としたら普通なのかもしれないけれど、私の手なんか包みきれてしまうような彼の手。
安心するそれに、思わず口許が緩む。
「あー!!Aちゃんがきゅるきゅるの顔してる!!でも志摩がきゃっきゃうふふしてるのはダメ!!なんかずるぅい!!」
「ずるいってなんだよ、夫婦だっつの」
「でもダメー!!」
「伊吹さん深夜ですから、静かにして下さい。志摩さんもですよ!」
「きゅーちゃんうるさーい」
じたばたと暴れる伊吹を抑えながらも、五人揃って芝浦所を出たところで我に返る。芝浦所を出てしまったんだが?と。
『…外なの?』
「外なんだよ。すぐ裏手だから…寒くないか?」
『大丈夫、ありがと』
一未にこそりと話しかけると、肯定の言葉が帰ってきた。すぐだと言うが、確かにそれはその通りだった。見えてきたのは小洒落たカフェのような見た目の建物。
─え?あそこ?カフェじゃん。
そんな心の声は多分抑えきれていたと思う。
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Satokusa(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます。亀足更新ですがゆるりと楽しんで頂ければ幸いです。 (2020年10月30日 1時) (レス) id: d062a6dbf1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - アンナチュラルとコラボ。どちらも好きな作品で志摩さんの奥さん!お話凄く気に入ってます。更新楽しみにしています。 (2020年10月28日 6時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
Satokusa(プロフ) - すさん» 失礼しました。ずっと変換ミスってますね…訂正致しました。ありがとうございます。 (2020年10月15日 22時) (レス) id: d062a6dbf1 (このIDを非表示/違反報告)
す(プロフ) - 初めまして。しまの"ま"は麻じゃなくて摩ですよ! (2020年10月15日 7時) (レス) id: 5fe99a0fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Satokusa | 作成日時:2020年10月14日 1時