vier ページ6
最早全校生徒集まったんじゃないかと思うほど人口密度が高くなったその時、教師陣が何事かと様子を見に来た
こんな学校にカイザーが居ることに驚いていたけど、そもそもカイザーはここの生徒じゃないし普通に侵入罪
いくら有名とはいえ、然るべき罰は与えるのだと思っていたのに
「友人に会いに来た」
「ゆ、友人?誰が」
「ショージA」
「あんた課題やってる場合じゃないわ、明日来たら詳しく聞くから」
『えちょ、勘違い!!』
「A〜連絡したのに無視とは流石に悲しかったぞ。迎えに来てやったんだから帰ろうな」
荷物を全てリュックに詰めると私に手渡しグッドサインで見送ってくるクラスメイト
ありがた迷惑って言うんだよこれ、明日教えてやろ
馴れ馴れしく肩を組んでくるカイザーを引き離そうとしていると、そんな様子を見ていた教師陣も何故か納得してしまったらしく「まぁ今回は連絡がつかなかったなら仕方がないな」「無視はダメよショウジさん」と最もらしい言葉を並べカイザーの行いを許したのだ
お前ら人間じゃねぇ...
抵抗虚しく廊下に引き摺られれば、廊下にいた人集りはモーゼの十戒よろしく綺麗に捌けた
そしてそのまま連れ出され今に至る
『何しに来たの』
「お前がブロックなんてクソ面倒臭いことしなきゃ来なかったさ、折角のオフに」
『...え、それだけ?』
「連絡出来ないと写真送れないだろ」
『いや自撮りはいらんわ』
あのいつも傲慢で人の話を聞かないカイザーが貴重なオフの日に来た理由がコレか
確かに公開練習には行かないにしたってたった二週間じゃん
まともにノアの写真なんて送って来ない癖にそんなこと気にするんだ
「...おい何笑って」
『いや?思ったよりお子ちゃまで可愛いなって』
「なっ」
笑った私を見て唇を尖らせるカイザーが普段と違って可愛く見えて、思わずしゃがみんでいるカイザーの頭をわしゃわしゃと撫で回す
しゃーない、貴重なオフ潰して来たんだからブロック解除してやろ
スマホを操作していると肩に腕を回されて親指で顎を上げられる。強制的に顔を上に向かせられると、カシャっと無機質な音が鳴る
『なんでツーショットよ』
「フン、いい間抜け面だな。送ってやる」
『はいはい』
後日知った話だけど、このツーショットはカイザーの個人SNSに《verdammt frechen Freund》なんて一文と共にネットに投稿されていたらしい
やっぱりアイツブロ削だ
551人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
馬の骨(プロフ) - 深澄さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2023年3月13日 21時) (レス) id: d89792b31d (このIDを非表示/違反報告)
深澄(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます!めちゃくちゃ私好みの小説ですw素晴らしい作品をありがとうございます! (2023年2月27日 0時) (レス) id: c06de4bc68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:馬の骨 | 作成日時:2023年1月31日 11時