天まで届く。【九条天】 (ページ11)

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「ただ今、モモ」

「おっかえり〜！！

あれ、綺麗な女の人連れてきちゃって…もしかしてユキ、浮気……？！」

「違う違う、電車でたまたま見つけた子。訳アリみたいだったから」

百さんと千さんは私のキャリーバッグを一瞥し、顔を見合わせる。
流石5年組んでいるためか、やることもお互い何も言わずわかるのか……

「入って！ももりんジュースあげちゃう！！
今日は歓迎パーティだね！！」

「別にそこまで長くはいないつもりらしいけど……何作ろうか？」

私がキャリーバッグをシェアハウス？の中に入れるまで、ずっとドアを開け支えてくれている千さん。
大御所アイドルにこんなことさせていいのやら……
百さんはこっちこっち！とアパートの廊下を軽々と飛び跳ねる。

……大変なことをやらかしているのは、重々承知だ。
でも、どこか懐かしい気がした。

キャリーバッグをリビングの端に置かせてもらい、ももりんジュースをいただいた。
甘い香りの、透き通るの液体。
ちびちびと飲んでいると、2人の小さなコントが聞こえる。

天と陸。
やっぱり思い出すあの思い出、笑顔、温もり。
Re:valeの2人を見ていると、涙が出てきそうだ。

いつの間にか、頬に何か温かいものが当たっている。

「何があった？オレたちに話せない……？」

その声色は悲しげで、優しくて、更に涙がこぼれるだけだった。