＃18「眠る【番外編】」 ページ19
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『・・・zzz』
「あら、」
ダメージコントロール手術を経て、藍沢先生と医局に戻ると、内海先生が机に突っ伏して寝ていた。
「寝てる・・・」
「まぁ、なんやかんやで患者思いですから」
書く人がいなかったのか、私の机に彼女名義の秋本さんの診断書が置いてあった。目を通せば、診ようともしなかったはずなのにきっちり事細かに症状が書いてある。こういうところを見ると、やっぱり何かと問題を起こすようなタイプとは到底思えなかったりする。
「ちゃんと見てるんですね」
「アイツは、いつだってそういう奴なのはお前も分かってるはずだ」
「確かに・・・」
内海先生は、素直じゃない。それに、すぐ色々と言い過ぎる。でも、だからこそ沢山の人から愛されている。それも、彼女の長所だと出会う人が思うのだ。
『・・・ん、あ、白石。おつかれ』
「そっちも、おつかれ。診断書、ありがとう。助かった」
『それは、良かった』
「当直だったよね？もう手術も終わったし、帰れそうなら帰ってくれちゃって大丈夫だから」
『ホント？助かる〜・・・んじゃ、お疲れ〜』
内海先生は、そう言って医局を後にして行った。
「アイツ、相当帰りたかったみたいだな」
「内海先生だって、疲れてるよ。だって、今日は秋本さんの件で、私たちの代わりに一人で何人もの患者を担当してたんだから」
「そうなのか？」
「うん、あんな感じでも患者さんからは人気なんだよね」
「・・・そうか」
私たちは、しばらく医局でたわいもない会話をしていた。
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作者名：少年A | 作成日時：2019年9月10日 21時
