＃17「知っているからこそ」 ページ18
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「内海先生、やけに怒ってませんでしたか？」
「横峯、お前あの患者が起きた時に内海を呼んだか？」
「え？はい、なんか悪かったんですか？」
その場にいるシニアドクターは一斉にため息をつく。内海が、あの手の患者と相性が悪いのはこちら側では有名な話だったが、今はそんな状況ではないことに改めて感じさせられる。
「横峯あのn・・・「内海はあの手の患者が来ると自ら距離を取っている」藍沢！」
「それって、以前患者に掴みかかって訴えかけられたから。ですよね？」
「名取、お前どこで」
『私が言ったようなものだ』
「内海・・・」
今でも、煮えきれない表情をしながら歩いてきた内海。あの患者は、内海にとってそれほど腹の立つ人だったかが分かる。
『ごめん。あれは確実に私が悪い、医師としてあるまじき姿だった』
「内海、t・・・」
「確かにお前が悪い。でも、衝突することを分かっていたのにも関わらず斡旋するような環境を作った俺らも悪い」
そうだ、あの患者が搬送されてきた段階で物事は決まっていた。内海がはるかの処置だけを済ませて、部屋を出て行ったのもそうだ。あいつは自らあの患者と距離を置こうとしていたのに。
「内海も大人になったんだな」
『衝突してる時点で違うと思うんだけどね』
「いや、成長してるよ」
『それ、新海も言ってた』
「それ、脳外の新海先生か！？おまえr・・・」
そのあとは、口を塞がれて言わせてもらえなかった。まぁ、本当は言うつもりはなかったんだけど。だって、本気で恥ずかしがって口を塞いでいるのに言う方が悪いだろうから。
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作者名：少年A | 作成日時：2019年9月10日 21時
