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Aside

…なんでだろう、この人を前にするとスラスラと言葉が出る。

でもきっとそれは、

『…降谷さんは、ちょっと姉に似てます』

「え?」

驚いた顔。

『降谷さんも優しいですから。』

「…僕は優しくなんてありませんよ。」

即座に否定される。…そんなことないのに。

『前にポアロに来た我妻善逸って子、覚えてます?』

「…ああ、あの金髪の子」

『はい。鬼殺隊士の中には特殊な能力を持つ者が稀にいて、彼もその類です。』

「特殊な能力…?」

『ええ。彼の場合は耳がいいんです。どれくらいいいかっていうと、生物の音を聞き分けられ、さらに感情までわかるくらい。警察犬みたいですよね、ちなみに嘘も音でわかるんですよ。』

信じられない、と言う顔をする降谷さん。

『善逸くんはこの前こう言ったんです。…”安室さんっていう店員さんからは泣きたくなるような優しい音と同時に悲しい音もする”って。』

「……」

『そんな音がするのは降谷さんが本当に優しい人だからですよ。』

沈黙が流れる。

『私たちもたくさんのものを犠牲にして今ここにいます。その過程で人を不幸にしてしまった事もあるかもしれません。現にこの前、陽子さんを殺した私は三上さんにとって悪魔のような存在でしょうし。』

『私たちはそれぞれの正義に従って国を支えています。そしてその正義が元で誰かの人生を潰すかもしれない。…だからその業を背負うのが私たちの仕事です。』

降谷さんの方を向く。

『でもそれでいいじゃないですか。今私たちは目標が同じだからこそ、ここにいる。そして私は降谷さんと目指す方向が同じだと言うことを嬉しく思いますよ!』



「…まいったな」

降谷さんが頬をかきながら言う。

「こんな年下の子に励まされるなんて」

ちょっとバカにしてます?

『私一応幹部なんですけど。』

ムーっとむくれる。子供扱いは頂けない。


「ごめんごめん…。…ありがとう、なんか元気でた。」

ふわっと笑う降谷さん。

『いえ…』

なんだかこっちまで照れくさくなってしまう。


「じゃあ行こうか、案内するよ。君のデスクもあると思うし。」

歩き出す降谷さん。敬語がない方が素なんですね。

新しい一面を知れてちょっと心が弾む。


『はい、お願いします!』

【番外編】髪型→←22



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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月15日 14時) (レス) @page40 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります!更新待ってます! (8月14日 20時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ハス - それぞれの正義を掲げ、進んでいく人たちがもう本当にかっこいいです!いつ続き出るかなと、毎日楽しみにしております。頑張ってください!! (8月7日 15時) (レス) @page40 id: 45098ead67 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています🥰 (2023年4月28日 11時) (レス) @page40 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 初めまして!ユナと申します! 小説を読まさせてもらいました!とても面白いです!続きの展開が気になります!更新頑張って下さい♪ (2022年12月12日 19時) (レス) @page40 id: 2353c44e43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なべちゃん | 作成日時:2020年7月22日 11時

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