居酒屋妄想日記 ４冊目

彼氏風大毅くん ページ37

〆．



赤「痛む？」



「まあ……少し？」



起き上がることもできない。



……あ、これわかる人にはわかるんだけど、トイレの話。



ご飯食べないからそっちはいいとして、点滴はするから出るものは出るのね？



でも起き上がれないということは……まあそんな感じのとそことをチューブで繋いでるわけで。



これは男の人に見せたくないよ！？



全力で隠しつつ、ムードもなんもない状況で、大毅くんを見た。



赤「あー……なんかやばいかも」



「ん？」



赤「病気で弱ってる彼女……襲いたいネタちゃう？」



「なっ………何言ってるんですか」



赤「んふふ」



言ってて自分で照れてるし。



赤「Aがグループトークに、ひまって送ってたやん。あれ見て、即寝た。朝イチで会いに来れるように。夜は、他の誰かが連絡してきたやろ？」



「はい……大毅くん、ありがとうございます」



赤「誰と喋ってたん？」



「のんちゃんです。明け方まで、世間話を」



赤「ふーん……」



拗ねた顔。



あ、妬いたとか言うの無しですからね、大毅くんが聞いてきたんですから。



赤「A、退院したら一番に俺とデートして」



「……え」



予想外の言葉に、反応が遅れる。



「ど、どうしたんですか、いきなり」



赤「んー？なんか……なんやろ、したくなった。俺の考えたデートプランで、行かへん？」



なあなあ、と楽しそうに顔を覗き込んでくるから、身動きの取れない私は赤面するばかり。



「……い、いき、行きます…」



こくこく頷くと、大毅くんは満足げに口角を上げた。



看護師「西畑さ〜ん、点滴変えますね……あら、お邪魔した？」



「い、いえ！」



首をブンブン振ると、大毅くんは唇を尖らす。



看護師さんは点滴を変えながら、



看護師「彼氏さんですか？とてもお似合いですよ！」



「っ、」



赤「ですよね！？ほらぁ、A。記念にキスしよ、キス」



「大毅くんそんなキャラじゃなかったでしょ！」



看護師「ふふ、仲いいですね。じゃあごゆっくり〜」



笑顔だけ残していった看護師さん。



赤「あの看護師さんええな」



「……じゃああの人と話してたらどうですか」



赤「拗ねてんの？もー、やっぱA可愛ええわ。や、AのせいでA以外を可愛いと思われへんくなってんねん」



「……わけわかんないです」



赤「照れてるなぁ」



髪の毛くしゃくしゃ〜って。もう。



〆．

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