居酒屋妄想日記 ３冊目

うとうと ページ32

〆．



「んー……今日はくたくた………」



授業の小テストに備え、ここ数日間ろくに寝ていなかった。



で、小テストは無事終わったからこうしてバイトに来たんだけど………



いかんせん眠い。



私馬鹿だなぁ、こうなるのは予想ついてたのに、なんで小テスト当日にシフト希望入れちゃったのかなぁ。



自分の都合過ぎて、誰かに代わって〜とも言えないし。



そうしてなんとか乗り越えたバイト。



賄いを食べながら、恥ずかしいことに頭がグラングランと揺れていた。



桃「A？眠い？」



「んー……んん」



桃「寝てるやん。……可愛ええな」



「、」



ドキッとしたけれど、眠気は覚めない。



「のんちゃん……三十分経ったら起こして」



桃「え、」



動揺するのんちゃんの前で、座布団を枕にして座敷に寝転ぶ。



ああ………家までもたないだろうからせめて三十分だけでも、と思ったけれど、これは起きれないな。



呑気に考えて、そこで意識が途絶えた。



…………

……………

………………



一方、のんちゃんは。



桃「な、なあ？A？」



肩を軽く揺すってみるけれど、起きる気配なし。



いや、わかんねん。



寝かしといたらなあかんってのは。



睡眠欲は人間の生理的欲求やからな？



三大欲求にも含まれるんやっけ？大切な欲やわ。



でも……あかんねんて。



Aが三大欲求のうち睡眠欲を満たしてる間に、



俺は残り二つのうち性 欲を満たしたくなってしまうんやて。



思春期男子、そして人間の本能ってやつ。



ああああ！！もう！！



自分に好意をもってて、かつ自分も好意をもってる男の前で！？



こんな！？



無防備な姿見せて！？



…………いただきますしてもええんかな？



食欲も満たしてええんかな？な？ええよな？な？な？



桃「……んまぁ、これは合意と捉えてええやろ」



Aの、柔らかそうな唇に顔を近づけて……



橙「望ー！Aー！もうすぐ日付変わるけど、大丈夫かー？食器も下げに来てへんやん？」



桃「っ！？」



親方の声が聞こえて、慌てて離れる。



いや、やましいつもりはないし、なんなら普通のことやし、咎められるとかそんなわけないと思うねんけど、なんか反射的に。



……なあ、神様。俺、いつAとキスできますか？



〆．

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