居酒屋妄想日記 ３冊目

ついに告白 ページ20

〆．



…………ついに、この日が来た。



「「かんぱーい」」



八人で焼肉屋さんの個室を予約した。



明らかにおかしい男女比に、店員さんも訝しげな顔をしていたけれど、そんなことはもはやどうでもいい。



…………のんちゃん以外にはちゃんと気持ちを伝えてある。



けれど改めてみんなの前で言うのはどうしても緊張してしまう……。



緑「のんちゃん、流星、野菜食べや」



桃「はーい。……あ！そのお肉ちょーだい！」



青「俺、ビール飲みたい」



橙「ちょ、こぼしてるって」



黄「はい、おしぼり。…え、足りる？」



紫「次何頼もかな」



赤「注文したやつきたばっかやんけぇ！あひゃひゃ！！」



「…………」



大毅先輩のウザさすら気にならないほどに心臓バクバク。



ちまちまとお肉やらキャベツやらをつまんでいたけれど、



多分みんな、待ってくれてるんだ。



私が言いやすいタイミングで言えるように、いつもと変わらないように過ごしている。



…………言わなきゃ。



ご飯を食べ始めてから一時間ほど経った時。



「………あの！！」



八人入っても広く感じる個室内に、私の声がやけに響いた。



みんなお喋りをやめ、私の方を向く。



…………十四の瞳が、私の姿を映し出す。



「みんなに………言いたいことがあって」



一気に静かになって、少しだけ居心地悪く感じた。



「もう、言った人もいるけど………私、みんなのことが好きです」



桃「ん？」



「……………その、恋愛として」



桃「………えっ！？」



のんちゃんだけ、目を丸くした。



「七人全員好きって、絶対おかしいというか………あまり、いいことではないと思う、んです。けど、好きになってしまいました」



どう伝えたらいいんだろう。



「一緒にいると幸せだし……会えないと寂しいし………やきもちだって、やきます。みんなに、恋してます」



狼狽えるのんちゃんに、謝りたい。



だけど、



「非難されてもしかたないことなんですけど……でも、七人を好きになったこと、全然後悔してなくて、だからこの気持ちを無かったことにもしません」



隣の個室からの声が良く聞こえるほど、静まり返っている空間。



「一人を選べなくてごめんなさい。……でも七人を好きになったことは謝りません」



結局のところ、私はこの中の誰かと二人きりでいれるのも嬉しくて、八人でいるのも幸せなの。



黙り込むと、今度はのんちゃんが口を開いた。



〆．

のんちゃんのキモチ→←好きな人。

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