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こんなにも近くにいるのに、

触れられる距離にいるのに、

心の距離は遠くて、遠くて、



気がついたら泣いてた、あんなに硬く蓋をしてたのに、溢れたように言葉が流れた








私を見つめるひだかくんの目に吸い込まれそうで

聞かれることにひとつひとつ答えた









『ひだかくん、ごめんね、ずるいね、わたし、

付き合ってなんて言わない、

彼女にしてなんて言わないから、

これからも隣にいさせて欲しいの…』





「ねぇ、A、俺の話も聞いて？」







わたしの腕を掴んでたひだかくんの手はわたしの髪をそっと撫でて、涙を拭ってくれる、



ひだかくんの声は優しくて、また泣きそうになる







「俺の好きな人は、Aだよ、だから、そんな風に言わないでよ」






眉を下げてそっと頬を撫でられて、

信じられない言葉に耳を疑う

ひだかくんまで泣きそうな顔をするから、

幸せなはずなのにわからなくなる







『ひだかくんが…わたしを好き？』

「そうだよ、ずっと言わないつもりだった、Aを困らせたく無かったから、でも、
それ以上にAのことを愛おしいって思うようになっちゃった、




ねぇ、A、俺と付き合ってくれますか？」





『…よろしく、お願いします』








信じられなくて、幸せの気持ちに包まれて涙が止まらなくなって、

ひだかくんもつられて泣くから、

そっと涙を拭えば視線は自然と絡まって今まで近づきたくても近づけなかったパーソナルスペースに引き込まれる





おでこと鼻がくっついて2人でふわふわと笑う、







思いが繋がるって、こんなに幸せなんだ…

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