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45:サンキュ ページ49

Asaid

「ありがとな」

そう言って、背を向けた2人を見る

『やっぱり、俺が必要じゃん』

いつもより強気な態度で『俺』は言う

「また、落ちるのではないか?」

小さな声で僕は答える

『影山は、きっとそんなことしない』

「きっと、多分…空想だろう」

ボールをいじりながら、日向と話をしている影山を見る
蛍は忠とその様子を見ている
澤村さんや田中さんは、同学年の方と話している
町内会の方々は念入りにアップをしている

『もう、大丈夫だから…俺を守らなくても…な?』

小学生の時に、チームメイトへ言った様な口調で僕に言う
…そういう所が嫌いだ…
僕は『俺』に対して、沸々と何かが湧き上がる
それが怒りなのか、苛立ちなのか、僕には分からなかった

『そんなに感情的になんなよ』

また、あの時みたいに言う
確かに、僕がここまで感情的になることはなかった
…僕は、いつでも理性的に物事を見るようにしていたから…

「だからっ!!!」

僕は口を押さえる
周りの視線が、僕に向く

「すいません、少し失礼します。ゲームは始めていて下さい」

それだけを言って、僕は体育館を出た


『めずらしーな』

…無責任な奴…
僕はそのまま、外の水道がある所まで歩く
バレー部が使っている体育館から少し距離がある

「関係ないだろう、君には」

『俺は、バレーがやりたいんだ。もういいんだ、
…今まで守ってくれて、サンキュ』

軽く、きっと笑っているような声色の声が頭に響く
…ムカつく…
そんな感情を持ったのは、小学以来初めてだった

「ムカつくんだよ、勝手にバレーに失望して、
自分から助けてって言って、頷いたくせに、僕に託したくせに…
…今になって返せだって!?冗談じゃない!
僕がいたから『鳥瞰者』と呼ばれて、必要とされたんだろう!?
僕がいなければ、少し飛べて、サーブレシーブの上げられないスパイカーだ!
そんなスパイカーなんて、コートへ入れる訳がないだろう!!
少しは、考えろ!君は……!」

「ねぇ」

いきなり声をかけられた
いつのまにか、目に溜まっていた涙を拭って後ろを見る

「あのさ」

…蛍だ…
射抜く様な視線で僕を見ている
不意にその目が和らぐ

「ずっと前から思ってたんだけど、


………キミ、だれ?」

ニコリと笑ったその顔は、とても怖かった

「キミは、僕の知ってるAじゃない」

それだけを言って、蛍は踵を返した

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作品ジャンル:アニメ
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レウィ(プロフ) - 柊さん» お願いします! (2015年3月28日 16時) (レス) id: 84514e0e31 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - レウィさん» 了解です、ぼちぼち読んできますノシ (2015年3月28日 16時) (レス) id: 0a544bc555 (このIDを非表示/違反報告)
レウィ(プロフ) - 柊さん» 合ってますよー。日向プロフ画です! (2015年3月28日 16時) (レス) id: 84514e0e31 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - レウィさん» あ、はい!Twitterの柊です。兵長プロフ画の。合ってた…( ´ω` )ホッ (2015年3月28日 16時) (レス) id: 0a544bc555 (このIDを非表示/違反報告)
レウィ(プロフ) - 柊さん» えっと、Twitterの方でしょうか…? (2015年3月28日 16時) (レス) id: 84514e0e31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レウィ | 作者ホームページ:http://iralog.nosv.org/b/Iwinonlyme/  
作成日時:2014年5月22日 22時

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