【ハイキュー!!】日と影と山と月と雲【男主】

41:そうだった ページ44

日向said

「えーと、陣洛！そう陣洛！お前そこでキャプテンやってただろ！
2年の時からやってたよな！で、エース！」

西谷先輩がAを指差しながら言う
「エース」っていう単語に俺は肩を揺らす
…Aは中学校でエースだったんだ

Aは背が月島の次に大きくて、たくさん飛べて
でも、影山なんかよりずっと優しくて

俺は悔しいけど、まだまだ

けどやっぱり憧れるのは、小さな巨人で、スパイカーで、エースで
Aの中学校の時の試合は、見たことないけど
練習見てたら、なんかグワーって感じだった…

「…はい…そうでしたよ」

Aは少し下を向いた

「お前、ここで「エース」目指さねーの？
陣洛って中々の強豪だろ？そこでキャプテンでエースなら相当じゃねーか！」

西谷先輩は大きく笑う
俺はAがどう答えるのか分からなかった
いっつも笑ってるイメージを持ちながら、俺はAを盗み見る

「…あれ…？」

俺の声が小さくそう漏れた
確かに笑顔だったけど、どこか冷たかった

「今は、僕でなくても日向がいるじゃないですか」

そう、俺の方を見てAは言う
俺を認めてくれたみたいで嬉しかった反面、違うと思った

初めて会った体育館で、Aはエースでキャプテンだった
俺もそんな感じだったけど、Aは陣洛って言う強豪だったらしい
実力社会でエースだったのに、ここでもエース狙える筈なのに
なんで、なろうとしないんだろう、目指そうとしないんだろう

「…確かに翔陽はエース希望だけどよ？
総合的な技術は東雲の方が高いんじゃねーの？」

ちょっとグサって来たけど、確かにそうだ

「A！お前の本気の試合見たい！」

俺は、Aに向かって言う
Aは、こっちをなんか嫌そうに見た
そして、ため息を付くと俺の方に歩いて来た

「僕が主将だった頃の試合を見ても、何もないよ
それに、もう主将はやりたくない……あんな風に呼ばれたくない」

Aは少し笑いながら、呆れたように言う

「あんな風にって、どういうこと？」

Aの最後の言葉が気になって、俺は聞き返した

「影山にでも聞いたらどうだい？」

そう言ったAの声は、初めて会った時よりも冷たかった


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閲覧ありがとうございます。
たくさんのお気に入り、嬉しいです。

「あれ」「あの」多いので混乱したりしてないですか？
大体「あの試合」の場合は小学校最後の試合を指すことが多いです

不明な点はコメ欄へどうぞ

以上、作者のレウィでした

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