【ハイキュー!!】日と影と山と月と雲【男主】 (ページ31)

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30:視線が痛いページ31

Asaid

18ー17、依然として烏野がリードしている
トスは蛍に上がる
点数として決まったスパイクを打った後、自分の手を見て怪訝そうにする

「お前のトス、精密すぎて、気持ち悪い」

顔をしかめながら影山に言う
売り言葉に買い言葉、本当に仲が悪い
澤村さんが2人の肩を掴みニッコリ笑って言う
…怒ってるね…

「試合中だし、そこまでにしようか」

有無を言わせない圧力で2人を黙らせる
…さすが、主将…
次のサーブは田中さんだ、だから僕は前に上がる
そうなったことで今は、ブロックが高くなる

「うわぁ…青城チームに負けず劣らずの、何とも威圧的なブロックだね」

武田先生が声を洩らす
僕は185cm、蛍は188cm、影山は180cm、平均184cmのブロックになる

「キミはブロックも得意なんだっけ？でも、あんまでしゃばんないでね」

蛍は影山を見下しながら挑発する
それに影山は眉間にシワを寄せ、蛍を睨み上げる

「てめーこそ、吹っ飛ばされんじゃねぇぞ。ひょろっひょろしやがって」

2人の間で炎が見える、澤村さんは僕をジッと見てくる
…僕にこれを止めろと…
とりあえず、今はボールが動いているので僕は2人に言う

「ボール来るよ、ほら見て」

その言葉で前を向く2人
ブロックした後もまた言い合い
…澤村さんに怒鳴られる前に釘刺さないと…
さっきから本当に菅原さんや澤村さんの視線が痛い
あまりやりたくないが、しょうがない

「はぁ…おい」

そう言って肩を掴む
振り返り「何だ」と言う目でこちらを見る
僕はニッコリ笑いながら2人に言う

「いい加減にしろよ？」

途端に2人の顔が固まる
…もう一息だね…
そう思った僕はさらに続ける

「潰されたくなかったら、協力しようか…ね？」

真面目な顔になった2人の肩越しに見える青城の人も、居住まいを正す

「お…おう…」

「うん…」

言い合いをしていた2人は、完全に萎縮した

24ー22、烏野のセットポイント
ボールは澤村さんのレシーブから、影山へ

「オープン、レフト」

僕はそうトスを呼ぶ
影山は今までで1番高いオープンを上げた
モーションに入る、3枚ブロックも釣られて飛ぶ
…かかった…
強く踏み切り高く、長く飛ぶ
ゆっくりと相手コートを眺め、視界が広がった所で腕を振る
ブロックの上を通って、相手コートに叩き落とされた
笛が鳴る、会場はまた大歓声

「ナイス！東雲！」

その声に僕は作った笑顔で対応した

25ー22、2セット目烏野高校