【ハイキュー!!】日と影と山と月と雲【男主】 (ページ23)

今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:125,589 hit

22:小心者の緊張ページ23

Asaid

1年生も部室を使っていいという事だったので部室に向かう
蛍と忠は丁度、掃除当番でいない

「失礼します」

そう言って、扉を引くと日向がジャージの上を履いていた
それを田中さんがからかう
…どういう状況なのだろうか…
僕は部室に入り扉を後ろ手に閉め、
近くにいた影山と澤村さんに挨拶をする

「なあ、日向、明日大丈夫か？」

澤村さんが心配そうに影山と僕に聞く
僕らは顔を見合わせ、顔を赤くした日向を見る

「緊張ぐらい誰でもしますよ」

影山がそう言い、僕も同調する

「お前らのその感じ、小心者の緊張、なめてる！！」

菅原さんがすごい勢いで言い、僕らは呆気にとられる
僕は菅原さんに向かって言う

「最初のうちは、しょうがないと思います。
僕も最初、そうでしたし…下手にイジんない方が…」

そう言うと、菅原さんは驚いた顔で僕に聞いた

「え！東雲って緊張するの！？」

「…僕だって、緊張ぐらいしますよ」

そう返せば、部室にいる先輩方が固まる
…僕ってどんな風に見られていたのだろうか…
そんな中でも、フラフラと部室を出て行く日向
準備が終わり、部室を出ようとした僕らに菅原さんが言う

「おい、影山、いつもの余計な一言でムダにプレッシャーかけんなよ」

『誰に』という主語がないが間違いなく『日向へ』だ
菅原さんの言う通り思い当たる所がたくさんある

「…よけいな…ひとこと…」

僕の横で小さくそう呟く影山
…自覚ナシか…
僕はため息をついて約5cm下の頭に手を置く
こちらを軽く睨み、見上げてくる
僕はニヤリと影山を見下ろして口を開く

「影山は自覚ナシなので、後で僕が言っておきますね。ほら、行くよ、影山」

軽く睨んだままの影山を、そのまま引っ張って行く
途中、蛍と忠とすれ違う

「あれ？Aと王様じゃん。仲良くなったの？」

蛍が僕に聞く
影山が蛍をキツく睨む
僕は音を立てずに笑い「まあね」と応える

「オラ、さっさと体育館行くぞ、東雲」

さっきとは違い、影山に僕が引っ張られる
僕は蛍と忠に手を振り「引っ張らないでくれるかい？」と影山に抗議した