死んじゃう前の世界で俺は (ページ4)

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凍ってしまいそうな冬の日に

あの目に焼き付くようなことが起きて

ああ、もう嫌だ

って嘆いたも遅い

ごめんなさい、ごめんなさい

何度謝ったって

死んで償いをはらおうとしたってもう

あの日死のうとしなければ

あの日あなたが止めなければ

あなたは生きていた

わたしは死んでいた

でもきっと幸せだった

自分だけ幸せだった

ああ、神様、もう一度あの人に会わせて

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｢50年前から意識不明…？｣

｢一回でも聞いたことない？
50年間ずっと意識不明なんだけど、全然年をとらないの。だから実験台にされてるって｣

中村と名乗る少年の言葉に優依が思い出したかのように口を開く

｢あっ、そういえば…聞いたことあるかも
事故にあって、そのまま意識不明で年とってない少年って…｣

｢なにそれ、初めて聞いた｣

俺って世間知らずだな…

｢俺はずっとここにいるの｣

｢50年前から？｣

｢うん｣

当たり前のように言うけど
かなり可笑しな話なんだよな

｢50年間ここから出てないから本当とは言えないけど、多分ここにいる人全員意識不明者だよ｣

｢｢えっ、｣｣

｢君たちも多分意識不明状態なんだよ、あっちの世界では｣