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「あ！やっときた！」
「すみません。」
「詐欺だと思ってたんです。」
「そんな……。」
僕たちに名刺を差し出した男が分かりやすくしょげたのを見て、もうひとりの男性が朗らかに笑った。
「ハン・ソンスだ。君達は？」
「チェ・スンチョルです。こっちはカン・A。」
ひらひら手を振ったらスンチョルにぺし、と手をはたかれた。礼儀を重んじるこの国の中で、僕の存在はわりと異端だったりする。
「……突然で悪いが、君達には何ができる？」
勝手に呼んどきながら何を言うんだと思ったけれど、まあ確かに才能のないどこから来たともわからないような人を入れるようじゃ逆に信用できないだろう。
スンチョルがどんな人でどこが良いのか、と言われればわかるのに。少し悩んだけど、僕にあるものと言われるとわからなかった。
「……い、おい、A。」
「ぇ、あ……うーん……なに？」
「深く考えすぎ。お前には顔があるだろ。」
「それだけじゃダメじゃない？」
「他は頑張りゃどうにでもなるんだよ。」
「……努力。努力、ね……。」
頭を少し荒く撫でられる。考えを振り払うみたいにするそれを僕は気に入っていた。
「ははは、仲が良いんだね。」
「幼なじみなので。」
品定めするような視線。それがあんまり好きじゃなくて、逆に僕がその度量を計ってやろう、と思った。不敵な表情を作って、見上げる。
「絶対有名にしてくれる？」
男性は顔を明るくして勿論、と言った。
「らしいけど、どうする？スンチョルに任せるけど。」
「……Aは？」
「ちょっとでも可能性があるならやってみたら？」
「それならやるんだけど、いいの？」
「何が？」
「俺はお前も巻き込むよ。」
「いいよ、そんなこと気にしてたの？」
そりゃ気にするよ。その一言に破顔した。
「では、オーディションをはじめようか。一人ずつやるから、片方は並んで待っててくれるかな?」
「え、今のは何だったんですか……?」
「やー、言うな言うな。」
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第n回じめじめ大暴れ(プロフ) - Keiyaさん» わ〜ありがとうございます……！生々しさがちゃんと表現できているようで安心しました😌 (2023年2月22日 16時) (
レス) id: b6d7c5641a (このIDを非表示/違反報告)
Keiya(プロフ) - どの文を切り取っても鬱蒼としているのに耽美ですが、特にp9の最後の一文が好きです。詩的というには思春期の生々しさがあり、とても魅力的な二人に映ります。 (2023年2月22日 15時) (レス) id: 4b5e1eb1f2 (このIDを非表示/違反報告)
けもの(プロフ) - 多分続編に移行します 次の話からかな (2023年2月9日 22時) (レス) @page49 id: b6d7c5641a (このIDを非表示/違反報告)
けもの(プロフ) - 受験があるのでもうしばらく更新とまります もしかしたら合間に更新あるかもしれませんが (2023年2月3日 21時) (レス) id: b6d7c5641a (このIDを非表示/違反報告)
けもの(プロフ) - ちょんちょんいさん» ありがとうございます〜、もうじき更新できそうなのでゆっくりお待ちください〜 (2023年1月8日 11時) (レス) id: b6d7c5641a (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年12月31日 3時
