私たちには愛がありません（黄）２

６３. ページ21

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『きっかけは、なんだったかな、分かんないけど



ただ、普通に、時間をかけて




彼のことを好きになっちゃった』



『でも、彼、好きな人がいてね



でも、叶わない相手で、




じゃあ、私たちの想いってどこに行くんだろうって』




私は彼に出会ってから弱くなった




強く在りたいはずなのに




ポタポタと落とした涙が揺れた




ふわっとふっかの匂いに包まれて




彼に抱きしめられているのだと、気がつく




『えっ、』




深「やめろよ、もう」


「そんなの、」




彼の顔は見えないけど



声が震えているのが分かった




深「これは、俺のひとりごと」



「ずっと、前から、Aの事が




好きだった」




『え、』




深「結婚する前から、ずっと」



「その人のせいでお前が苦しむんなら」



「俺にしろよって」



「……思ってた」




ふっかが



私のこと好きだった、？





ずっと前から





じゃあ、泣きながら彼に電話した時も、



彼の片思いの相手の話をした時も



倒れた時助けてくれたのも



結婚を発表した時も



さっき泣いていた私を助けてくれた時も



全部、彼はずっと優しかった

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