我、至高たる君の思うままに…。【男主】 (ページ8)

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Story_7 ページ8

恐怖しかなかった

それでも、この場において縋るべきものは

俺を貶めるこの吸血鬼だけ

諦めの様なものも感じながら行動に移せば

それは俺の行動に満足したのか、冷たい手で俺に触れてきた

「あ、ぅっ……」

「思った以上に可愛らしいじゃないか

……そうだな、譲歩してあげるよ

君が僕にその血をくれるなら、君に危害は加えないよ

むしろ、その血を僕に捧げてる間は、守ってやるさ

ただし、死ぬようなら僕が君を今度こそ吸血鬼にするがね？」

それはあまりにも惨めなこと

それでも、ここでそれ以外の選択肢はなかった

俺は声も出さず、小さく、本当に小さく首を縦に振ることで答えた

それで正解だったのか

それは満足げに微笑んだ

「アハハ、いい子だね

……やっぱり都市から出てきて正解だね」

「何…を？」

「いいや、さて…君の居場所にでも戻ろうか」

「……わかった」

言いたいことは山ほどあった

けれど、俺に意見する権利はない

それはさも当然のように俺を抱きかかえた

「自分で歩ける」

「知っているさ

でも、面倒だろう？

君と僕じゃ、君のほうが歩くのが遅いじゃないか

人間の子供の歩幅に合わせていたら日が暮れそうだ！」

ケタケタと笑いながらそう言って

彼は変わらず俺を抱えて歩いている

いい加減、面倒臭くなって諦めて運ばれることにした