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Story_2 ページ3

あれからどれぐらい経っただろうか?

確か、500年ぐらい前にはリーグが何やら何処かの二家に関わって何やら悪巧みをしたり、

≪百夜教≫なる組織を作ったりして、今も存続している

…いい加減、危なげだ

リーグも随分と様変わりしてしまっている……



「……ハァ」

「いい加減、呆れてきましたか?」



リーグが紅茶を持ってやってきた

僕はそれを受け取って彼のお茶に付き合った



「リーグ、曲がりなりにも協力しておいてなんだけど

…そろそろ、目を瞑ってあげられなくなってきたよ」

「…それでも、僕を殺して止めようとまでは思わないんですね」



そんなことを聞いてくるから

僕は紅茶を一気に飲み干して答えた



「……言ってなかったかい?僕にとってはリーグもウルドも愛おしい弟だ

だから、殺そうなんて考えない…たとえ、それが容易なことでも、な?

………僕は行くよ…息災でな」

「全く、分かりやすい戯言ですね……必要なものは持って行っていいですよ、兄様」

「ハハハッ…もっと昔から兄扱いしてほしかったものだね、君もウルドも…な?」



僕から攻撃を加えないから向こうも仕掛けるつもりはないのか

彼は僕を見送ってくれた



「…で、持って行くのはそんな足しにもならないものだけなんですね」

「人間の世界に紛れられる適度な技術だけあればいいんだよ」

「………餞別です」



投げ渡されたのは人間の血が詰められた瓶の入った鞄だった

正直、暫くは居つく場所を探すところから始めなければいけなかったし

これは嬉しい限りだ



「今度会った時に殴り合いにならないことだけを祈ってるよ」

「同感です

兄様の相手は骨が折れますし、ね?」

「その時は、あまりにも悪どいことしてたら容赦しないから程々にな」



少なくとも1000年は一緒にいた

その幕引きがこんな形になるのは残念でならない

けれど、ウルドが吸血鬼として正しいままに歩み続け

リーグが決別の道を選び軌道に乗ったなら

いい加減、僕も僕の考えで動いてもいいだろう



「……僕の至高の血でも探すかね?」



ぼんやりと、曖昧で決意のへったくれもない目標を掲げて

僕は人の海に紛れて行った

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黒胡椒(プロフ) - 好きです!更新はもうしないんですか? (2020年2月27日 16時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零夜&李香 | 作成日時:2019年3月31日 22時

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