家路 ページ44
その日の実技授業後の更衣室。
隣の男子更衣室から峰田君の声がうっすらと聞こえてきた。
峰「八百万のヤオヨロッパイ！！芦戸の腰つき！！葉隠の浮かぶ下着！！宝生の白い美肌！！麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱァァァ」
言い切る前に響香ちゃんが穴にイヤホンジャックを差し込み、爆音を流す。
おそらく峰田君の眼球。
というか…白い肌って…肌って…？
葉「ありがと響香ちゃん」
八「なんて卑劣…！！塞いでしまいましょう！！」
『ひぇぇ…』
峰田君、こんなことまでするんだ…。
恐ろしや…性 欲の権化…。
そんな事がありつつも、久しぶりの学校生活は無事に終わり。
最後に相澤先生から林間合宿の知らせと、その前に行われる期末テストの告知があった。
期末テストで赤点をとると林間合宿に参加出来ないらしい。
……頑張らなくては。
その日の帰り道。
轟君との久しぶりの2人きりの家路。
…さっきから轟君にガン見されている。
『…何か？』
轟「いや、本当に白いんだな…って思っただけだ…」
『峰田君の？』
轟「ああ」
そんなに白いのだろうか…。
まあ家から滅多に出ない生活を送ってると、日焼けとはどうしても縁遠くなってしまう。
轟君の掌が頬に伸びてきて、クイッと上を向かされる。
彼のオッドアイと目が合って、緊張で体が固まる。
轟「…少し」
話し始めたからの眉間に皺がよる。
轟「嫉妬した」
体に熱が集まってきて、そのままその熱が頭のてっぺんまで到達する。
『ふぇ…えと…』
戸惑って若干涙目になる私を見て、少し笑う彼。
轟「白かったとこ…全部赤くなったな」
目を合わせていられなくてそのまま下を向く。
そのまま動かない私の手を、彼は優しく引いて歩かせる。
半ば引きずられる形になってしまった、久しぶりの家路。
その景色は少し滲んでいて、とてもキラキラしていた。
轟君は、本当にずるい。
そしてかっこいい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イツキ(プロフ) - pikaito00さん» 読んで頂き、ありがとうございます。これからも更新頑張ります！読者さんの意見にはなるべく答えるようにしているので、CSSをベーシックへ変更しました。これからもよろしくお願いします！ (2020年4月30日 18時) (
レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
pikaito00(プロフ) - とても面白くて続編来てしまいました！！無理ない程度に更新頑張ってください！！それと私の意見で申し訳ないのですが、背景が白でないとやっぱりすこし読みにくいのでよかったら普通のにしていただきたく思います……！ (2020年4月27日 20時) (レス) id: 158c9172ac (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 律さん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月8日 9時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
律 - 面白い！応援してます！更新、待ってます！ (2020年3月8日 8時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イツキ | 作成日時：2019年12月29日 0時
