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樹side
樹「…ごめんって」
レモンサワーと、ピリ辛の切り干し大根が置かれたカウンターを目の前に謝る土曜の昼
寛「何で言ってくれなかったの！俺毎日焼き鳥焼きながらまだかな〜って待ってたのにさ！！」
プンプンと効果音が聞こえてきそうな程、寛太君はタオルを頭に巻いたまま怒っている
樹「言いに来るタイミング逃したし…
それに、照れ臭かったし……いてっ」
右手でジョッキを持とうとすると、ペチンッとカウンター越しに叩かれる
寛「…長い付き合いなのに、樹ったら薄情者」
夜の開店時間に合わせて仕込みを始める寛太君
俺がAと付き合った事をなかなか報告しなかったと腹を立ててるみたいで…
樹「謝るからさ…寛太君に折り入って相談が…」
寛「もう、何だよ…聞くだけ聞いてあげるけど」
チラリと視線をこちらに向けた寛太君は
何だかんだ言って優しい
樹「Aなんだけど…付き合ってから
一向に名前で呼んでくれなくて」
そう、他でもないAの相談
酔った時に一度呼ばせた事はあるけど…
それを抜けば、Aが俺の名前を呼んでくれたのは、想いが通じ合ったあの日だけ。
寛「…惚気？」
樹「どこがよ」
寛「あんな可愛い彼女と付き合えた上にそんな事望むなんてちっさい男だね〜樹も」
樹「…大事なんだよ？結構」
寛「女子かっ」
やっとのことでジョッキに手を付けるのを許され、レモンサワーを喉に流し込んだ
酸味と苦味の中に広がる甘さは、まるで何か隠されたメッセージのように思えてしまう
………俺ってこんなに北人さんみたいなロマンチックな事考える男だっけ…
寛「不味いなら飲まなくていいよ〜」
樹「いや、美味いってば」
寛「…ま、そんな事で悩む必要は
まーったく無いと思うけどね？」
ザクザクときゅうりを切りながら、また大きな目をこっちに向けてそんな無責任な事を言う
寛「呼んで欲しい、だけじゃなくてさ。何で呼んでくれないのか、を考えた方がいいんじゃないの？」
樹「…確かに」
寛「もう〜。今から常連さん来るから、個室でゆっくりしていきなよお前は」
半ば強引に個室に案内され、ゆっくり寛ぎ始めると
「寛太さん！こんにちは〜」
と、噂の彼女の声が届く
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
