71（樹side） ページ23
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樹side
今日は、営業部のコンペの日
遂に迎えたこの日、Aはきっと何度も時計を確認して、そわそわしてるんだろうな
俺に関わるなとか言った手前、どんな調子かなんて聞けるわけもなく、噂で聞く程度で…
そろそろ出る時間か、なんて思いながら、自分のデスクで仕事に集中するフリをしていた時
海「樹〜」
外から缶コーヒーを持って帰ってきた海青が、スタスタと此方へ歩いて来る
樹「普通に抜け出してんじゃねーよ笑」
黒木部長も居る上にこのデカい身体で、仕事中に缶コーヒーを買いに行く度胸
海「いや今さ、Aちゃんがすごい勢いで非常口のドア開けて駆け下りていくの見たのよ」
樹「まじ？」
何かあったのか…
胸がざわざわと騒ぎ始めたと同時に、目の端で黒木部長が内線の電話を取ったのが見えた
海「本当にすごい勢いだったから、コンペの事で何かトラブルかと思ったんだけど…
何でAちゃんが走ってんのかなって」
確かにAは青山陸の手伝いで会社に戻った事はあったけど、コンペのチームには入ってなかったはず
啓「分かった、とりあえず聞いてみるから…
誰か、束になってる資料見た奴いない？
営業部のコンペ資料なんだけど！」
受話器を耳元から離し、大きな声でそう言うが、知ってる人はおらず、首を傾げたり、周りを見渡して探しても、やっぱり無くて
啓「俺らの部署にもないみたい…」
資料が無くて、Aはそれを探しに…？
海「Aちゃん、
どこまで探しに行ったんだろうね」
樹「…俺もちょっと行って来るわ」
海「え！？」
樹「悪い海青、黒木部長に、心当たりあるからちょっと出るって言っといて！」
控えめな声の大きさで呼ばれる名前を背中に受けながら、オフィスを出た
心当たりなんてないけど、だけど…
樹「…A」
彼女が呼んでる気がする
声が聞こえたわけでも、連絡を貰ったわけでも無い
ただ、今Aは何かと戦っているんじゃないかって、何故かそんな気がして
柄にも無く、非常口を開けて、何階に行ったのかも分からない中階段で下へと駆け下りていく
樹「…あ」
地下へと繋がる入り口の向こうで、ドンッと鈍い音が聞こえたような気がして
全て憶測、全て思うままだけど…
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
