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「はぁ…はぁ…っ」
低めのヒールとはいえ、全速力で下まで走っていくと、流石に靴擦れや筋肉の疲労が激しい
高校時代はどうってことなかった階段ダッシュも、こんなに息が上がってしまうなんて
もう私もいい歳なのかもしれない…
地下へと着くまでの道のりの中、無駄に緊張していた心を落ち着けるようにそんな事を考える
「…ふぅー」
資料室の前で閉まった扉を前にすると、もしかしたらこの扉は開かないのではないか、なんて
ありもしない事を考えてしまって、やけに身体が強張っていたけれど、大きく深呼吸をして息を整える
そして、ガチャリと扉を開けて電気を付けた
「あれ…？どこだろ…」
見渡しても、資料らしきものは見当たらなくて、何だかよく分からない会社の資料がどっさりと棚を埋め尽くしている
どこにあるのだろうかと、キョロキョロと見回しながら奥へと歩みを進めて行くと
「あ、あった！！」
資料室の一番奥の端に備え付けてある、コピー機の横の机に、山積みの資料が置かれていて
中を確認すると、それは間違いなく陸さんと一緒に作ったコンペの内容で
近くに置いてあったダンボールにそれらを入れて、資料室を出ようとしたその時
＿＿＿＿ガチャッ
「…え？」
扉の外から鍵を閉められてしまったのか、扉を開けようとしても全く開く気配がない
「そうだ…電話…！！」
と、携帯を取り出して画面を確認すると、『圏外』の表示が出ていて、電話さえかけられない
絶体絶命、の４文字が頭を過る
助けが欲しいだとか、ここから出して欲しいだとか、そんな事じゃなくて
私にはこれを届ける使命があるんだ
「すみません！誰かいませんか！！」
必死に扉を叩いても、誰かが居る気配も無い
そして、ふと上を見上げると、排煙窓が並んでいるのが見え、そこから出る筋道を立てる
端に置かれた、高い棚の資料を取る用の脚立を引っ張り、立てかける
必死になってよじ登り、まずはダンボールごと書類を排煙窓から下へと着地させた
「結構、高い…」
排煙窓から顔を出すと、結構な高さが足をすくませたけど、私は必死だった
「…せーのっ！！」
１人で小さく掛け声をかけ、排煙窓から下へと飛び降り、資料室から抜け出す
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
