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「い、いきなり何を言ってるんですか笑」
背もたれに身体を預けながら、真っ直ぐな瞳でそんな風に言われて、一瞬時が止まった気がして
慌ててパソコンに視線を戻して声を絞り出した
陸さんが私の事をそんな風に言ってくれた事なんて、今まで一度も無かったから
「やっぱり、少し疲れてますよね」
陸「冗談だと思ってるの？」
キーボードの音を鳴らしながら、平常心を保とうと気にしないでいると、視界の端で陸さんが動く
「え…きゃっ！！」
陸「おっ！と…危ない笑」
パッと顔を上げると、気付けば陸さんは私の横に立っていて、思わず仰け反って椅子から落ちそうになった身体を引き寄せてくれた
色んな意味で、心臓はバクバクとうるさい
「ごめんなさい…」
陸「いや、驚かせたね」
腰に手を当てながら鼻の頭を擦った陸さんは、次の瞬間、デスクに片手を置き、しゃがみ込んで私を見上げた
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陸「…初詣の日から、ずっと話せなくてごめん」
「いえ…」
陸「落ち着いたら話そうって言ってたけど、その間もずっと悩ませちゃってたよね」
「…」
何も言えずに下を向いてしまったけれど、陸さんに聞きたい事は沢山ある
梓さんと別れたんじゃないんですか？
どうして…嘘なんてついてまで、私を家まで連れて行ったりしたんですか？
私は、やっぱり二番目の女なんですか？
陸「俺、梓と付き合っていれば、この先この会社での地位は確立していけるって思ってた。
結婚なんて興味無かったし、するつもりだって無いだろうと思ってたから…
正直、社長から話を持ちかけられた時、美味しい話だって、そんな風に考えたよ」
ゆっくりと話し始めた陸さんの目を
じっと見つめて話を聞く
遠い昔を思い出すかのような目で、言葉に嘘は一つだって感じられない
陸「だけど…Aと出会って、世話を焼くうちに、段々と欲深い自分が浮き彫りになった」
「…付き合って欲しいって言ったのは、私です」
陸「了承したのは俺だよ」
お前は悪くないから、って
そんな風に言葉は被せられた
陸「…何より一番失いたくないのは、A
だけど、地位を失うのも怖い俺は…
本当に、最低な男だよ」
フッと小さく笑って
力無く、陸さんは地面へと腰を下ろした
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
