宮城には『苧環』という名の最強のクラブチームがありました２

覚悟を決める ページ35

インターハイ予選終了。

青城は烏野に勝利したものの、決勝で白鳥沢に敗北した。

……夏が終わる。

青葉が全国に芽吹くことは無かった。

今はコーチに呼び出され、いつもの焼肉屋にいる。

メンバーは瑠衣、私、明日陽だの今日インターハイ予選が終わった奴ら。

秦「Aはお疲れ様。瑠衣と明日陽はおめでとう」

『はい』

瑠「ありがとうございます」

明「う、うん」

それぞれの返事を聞き、コーチはビールを注文した。

……大事な話が始まる合図である。

秦「お前らはこれからどうする」

『……部活は残る。まだ青城の皆とバレーしてたいから』

瑠「俺達はまだ全国大会ありますから」

明「ぜ、全国大会が終わった後も残るつもりです」

コーチは「なるほどな」と相槌を打ち、ビール(２杯目)を注文した。

秦「瑠衣、明日陽。……春高に出たいと思わないか？」

……は？

瑠「……試合に、ということですか？」

明「で、でで出れるんですか！？」

秦「まあな」

……もしかして

『選手登録を解除するんですか？』

秦「そうだ」

なるほど。名案だな

『いいと思いますよ』

瑠「俺も出たいです」

明「ぼ、ぼぼぼ僕も！」

その後は、私とコーチだけの話し合いとなった。

秦「……今年の合宿、どうしたい？」

『いつもと同じでいいと思いますよ？あ、でも日程は考えた方がいいと思います。烏野が確か……夏休みの始め辺りに合宿入ってたんで』

秦「……分かった」

『後は……いつもと違う相手と練習試合がしたいです』

先程の話で選手登録解除が決まった。ということは、今年は苧環で過ごす最後の夏だ。最後の日々だ。

秦「考えたんだが、烏野、青城、伊達工、白鳥沢と練習試合をするのはどうだ？」

おい待て中年。

『それ、招待バレますよね？』

秦「バラせばいいだろ？お前の今の仲間たちは中学の時のヤツらとは違うだろ？」

『確かに……そうですね』

私は、静かに心の中で覚悟を決めた。

『やりましょう。練習試合』

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