検索窓
今日:23 hit、昨日:12 hit、合計:13,554 hit

16 ページ17

桐「A、」
『ん?』
桐「大丈夫?…なわけないか、」





車に入って頭の中を整理させる。





『貧血って、言うても、元々そうやと思ってたけど、さぁ。なんか、うん、』





女の子の日の症状が重いのは俺らも知っていた。顔色が悪いのはそれのせいもあると思う。





『そんな悪いんかな、』





忙しくなったせいでそれが毎日に響いている。





『精神科、か、』
桐「………まだ、さ、決まったわけちゃうやろ、?」





何も言えない俺はAの不安すらも庇うことが出来ない。





『どうしよっかなー』





しばらく静寂が続いた。





桐「A、」
『何?』
桐「今から行ける?」
『今…』
桐「早めに知っといた方がええかなって、」
『私もそう思うけど、』
桐「うん」





『怖い、』





小さく呟いたその言葉に俺は気付かされた。1番怖くて不安に苛まれているのはAなんやと。





桐「そっか、今度にする?」
『でも、スケジュールが』
桐「今週学校終わりにでも」
『うん、』
桐「仕事しんどかったら連絡ちょうだい。体休めることも仕事やで、」
『…ありがと、』





Aのことをもっともっと守らなあかん。守りきれていなかった。後悔の念が押し寄せる。でも、





桐「じゃあ、帰ろっか」





これからを守りきることが俺らの使命なのに、不安に駆られるのを必死に拭うことしかできない俺は無能だ。

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
124人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いと | 作成日時:2023年9月7日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。