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桐「ゆっくりしぃ、な?」
「うん、ありがと」
神「甘いもんもあるからさ、」
「神ちゃんは食べた?」
神「食べたで〜」
なんて、普段の楽屋のように雑談を含めながら話しているけれど、いつまで経っても“あの事”について誰も触れられないでいた。
小「あのさ、」
「ん?」
小「…Aは、」
この場にいる全員が息を呑んだ。
小「倒れた理由、自分で分かるん?」
「……っと、」
小「俺ら、めちゃくちゃ心配やねんけど、」
桐「………前触れとかあったんやろ、1週間会えてへんかったけど」
「私も、よくわかんない、」
明らかに目が泳いでいた。やっぱり何かある。
小「心配やからさ、ちゃんと教えて欲しい。昨日も今日もいきなり、なんてないやろ?」
ズタズタ進んでしまう、俺の悪い所が出てる。すると神ちゃんが真剣な顔をしてAに向き合う。
神「Aのこと、みんな大好きやからさ、守りたいし、Aのこともっと知りたい。もっと、俺らのこと頼ってくれへん?」
あの真面目神山節が炸裂しているけど、これは誰もが言いたかったこと。Aが考えるように顔を顰めて、沈黙が流れる。
「……あのね、1ヶ月くらい前に、過呼吸みたいになって倒れてん、今日みたいに」
衝撃はあまり受けなかった。Aがしっかりと話してくれたことにほっとしている方が強かった。だけど起きていることはあまりにも残酷だった。
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作者名:いと | 作成日時:2023年9月7日 13時