君が笑えるように (ページ7)

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かずなりページ7

母さんはあたたかった。
いつも笑顔だった。
俺が、どんなに苦しい時でも、母さんはわらった。

2年前、棺桶に眠る母さんは冷たかった
でも、心なしか微笑んでいた。
死んでまで、笑うなよ。

智にいも、翔ちゃんも、雅にいも
潤だって、涙をぼろぼろ流して泣いてたのに
俺は泣けなかった。

とにかく目の前の現実を信じたくなくて
母さんと父さんが死んだなんて、
もう抱きしめてくれないなんて。

父さんは。
父さんは、無口だったけど
薄暗い病室で2人よく過ごした。

毎日、必ず病室に通ってくれた父さん。
体の調子が芳しくなかった時
付き添い入院がダメだった時がある。
小学生だった俺は
とても寂しくて、帰ってほしくなくて
よく母さんを困らせた。

だからかな。父さんは毎日欠かさず来た。

そして、俺の頭を撫でてこう言った

〝和也、和也は和也なんだからな〟と。

でも、父さんが死んでから父さんの言葉は
俺自身を苦しめた。