第11話 ページ11
雪丸視点
ろ組の三人に見られた。
やばいヤバいヤバイヤバイ!!!!
着替えは、絶対見られては行けなかったというのに。
なんでいつも僕は気を抜いてしまうんだ。
さっとしゃがんで忍者服で体を隠したけど、きっと意味ない。
これじゃア、コレジャア
「ゴメンな。お前が人前で着替えることが苦手と分かっていたのに八左ヱ門が。
後で体に分からせとくわ」
「ええ〜!!!俺に何する気なんだ!?三郎!!?
雪丸、申し訳なかった!」
「ごめんね、雪丸!着替え中あけちゃって」
スパンッ!!
扉が閉まった。
...アレ?
ボクノ、コレニ、ナニモイワナカッタ。
よかった。
きづかれなかったんだ。
しゃがんでてよかった。
僕の尻から生えてるそれに目をやる。
それは、髪とよく同化していた。
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雷蔵視点
着替えを見られるのが好きではない雪丸。
その雪丸と八左は一緒に教室に行きたいため、
今度は保健室からすこし離れた廊下で僕たちは雪丸を待っている。
「オホ〜、誤って障子を開けてしまったけど、
雪丸凄い綺麗だったな。
肌は白いけど、筋肉は程よく付いてるから男らしい美しさだったな」
まるで四年の立花先輩だ。
だなんて呑気に言う八左ヱ門。
「何言ってんだ八左ヱ門、
反省する気はあるのか〜!?」
そういい、三郎は八左の頭の両側ををグリグリと拳で押さえつける。
「痛いっ、痛い!!」
二人は気づいたのだろうか。
障子を開けたとき、一瞬怯えた表情をし、
それは僕には一瞬、
銀の尾っぽのように見えた。
「お待たせー!3人とも」
雪丸が急いだ様子で来た。
「さっきはほんとごめん!雪丸!この通りー!」
雪丸に土下座する八左。
......僕が考えてる間で、随分頭が腫れたように
見えるけど、三郎やり過ぎじゃないか?
それに対し、雪丸はなんてことないように返す。
「いいって、何回も謝らなくて!
ただ、次はしないでよねっ」
二人は一緒にあるき出し、教室へと向かっていく。
......一体、どういうことだろう。
見えたのは、ほんの一瞬だったから、髪と間違えたのかもしれない。
でも、
「どうしたんだ、雷蔵。何か悩んでるのか」
「いやっ、ボーッとしてただけだよ」
やっぱり、僕には獣の尾っぽに見えたんだ。
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作者名：百日紅 | 作成日時：2021年8月12日 21時
