■ criticism ページ22
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3人のヒーローが殺されたあの事件。
あの日を境に、Aの両親は活動を活発化させていった。
事の始まりは、とあるネット掲示板だったと思う。
今まで敵としての動きは小さなものだったから、弾原夫妻の捜索は、警察案件だった。
だが、動きが大きくなるにつれて、世間はそれに食いつく。
姿を見せずとも確実に仕留める力に、不安と興味が広まってきていた。
最近流行りの敵、あの個性ってバレットに似てる。
唐突に、呟かれたその言葉。
それが、不安に駆られる世の中に、簡単に火をつけた。
身内説、本人説。
ネットでは憶測が飛び交い、ワイドショーではヒーロー事情に詳しい専門家など、多くの場所で彼女の話題が取り上げられた。
今まで隠してきた警察側も、対応に追われる状況となった。
雄英側でもマスコミが押し寄せ、電話での問い合わせも全てに対応し切れないほどだった。
それに、一番参っていたのは、本人だった。
親が敵など、ヒーローである彼女の経歴を傷つけるだけでなく、ヒーロー自体の品を下げる。
警察も雄英もそれは回避すべき事だとして、詳しい回答をしなかった。
Aは外出を控え、やむを得ない場合は無言を貫いた。
それがまた、批判を生んでいることは誰もがわかっていた。
「……大丈夫か」
『…………どう見える』
どうすることもできないことが、尚更彼女を苦しめていた。
自分のことを自分で対処することすらもできない。
他人に迷惑をかけることをもっとも嫌っていたAだからこそ、神経をすり減らしている。
飲み物すら喉を通らない。
そんな日々が続いていた。
慰める方法も、思いつかなかった。
『謝罪しても、しきれないんだよ』
「誰もお前を責めたりしない」
『責めてくれる方が、いいだろ』
歯切れが悪い。
それほどまでに、会話に思考を回す余裕がないのだと思う。
誰も、Aが悪いなどと思っていないし、疑ってもいない。
彼女もそれを知っている。
「大丈夫だから、気にするな」
『……お前には、わからないよ』
「おい……」
『お前に、私の何が……！』
勢いよく立ち上がったAが、俺を見ていた。
飲み込んだ言葉が、短く息になって吐き出される。
酷く、辟易とした表情をしていた。
『……ごめん』
「いいよ」
ほとんど無意識に、彼女を抱きしめる。
泣きそうになったのは、俺だったのかもしれない。
背中に回された手が服を強く握ったのは、それから少し経ってからだった。
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ぽん、(プロフ) - Ableさん» ありがとうございます！一気に更新してしまったのですが、思い入れがある話だったので嬉しいです！ (2020年8月18日 18時) (
レス) id: 97d132fcbf (このIDを非表示/違反報告)
Able(プロフ) - 完結おめでとうございます！一気読みしてしまいました。綺麗事だけではない話でとても切実で、読んでいて感動しました。二人の幸せを願うばかりです。面白い小説をありがとうございました！ (2020年8月18日 11時) (レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん、 | 作成日時：2020年6月13日 0時
