□ fraternity ページ15
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相澤に話をした翌日、山田にも同じことを話した。
あいつにしては珍しく真剣に聞いていたから少し心配になった。
多分、私よりも何倍も、憤ってくれていたのだと思う。
その日から、2人が交互にご飯を奢ってくれる日々が始まった。
大凡、私が断るギリギリのところを責めてきているのだろう。
もちろん、申し訳なくは思う。
だけど何度大丈夫だと言っても聞いてくれないから、今はありがたく思っている。
誰かと食事をするのは、久しぶりだったから。
「A、今日の授業は？」
『あー、A組。今の授業の後に、ミッドナイトさんの手伝いだわ』
「そうか。じゃあこの資料は俺が作っとく」
『わかった、ありがとう』
相澤は、決して口数の多い方ではないと思う。
だが最近は、話しかけてくることが増えた。
私を気にかけているのかもしれないし、様子見かもしれない。
それでもわかりやすく心配しないところが、彼らしくて、個人的にはありがたかった。
心配されすぎると、こちらとしてもやりにくい。
まあ、問題なのは口数の多い方なのだが。
「なあA！ この時間暇だろ、ちょっと手伝えよ！！」
『変なテンションで話しかけるな』
「テンション上げてこうぜ！」
『耳元で話すな』
山田はこれで、気遣ってくれているのだろう。
それは、そういう奴だから、わかる。
だが、だ。
あまりにも絡みが多すぎて、仕事が捗らないのだ。
副担任とはいえ、教員であることに変わりはないからやることはそれなりにある。
だけど何だかずっと山田が隣にいる気がして、片付かない。
「消太くんの仕事は手伝うくせに」
『別に相澤のも手伝ってないでしょ』
「え、じゃあ今何してんの」
『はぁ、英語の小テストの採点。ほら』
「有能！！」
絡む口実に自分の仕事をちょいちょい持ち出すが、もちろん口実のために使っているから、山田は忘れていることもある。
チャイムが鳴って、あいつが離れて行ったのは少し助かったと思う。
「話さないほうが良かったんじゃないか？」
『いや、いいんだ。あいつはあれが、最大限に心配してくれてるってことだから』
「……まぁ、そうだな」
『そうだよ』
山田がうるさいから、気が紛れることだってある。
正反対のような2人が側にいてくれるから、ここに来て落ち着くことが増えたのだと思う。
本当はいつも、焦っていた。
それでも今は、落ち着いて、息を吸えていると感じる。
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ぽん、(プロフ) - Ableさん» ありがとうございます！一気に更新してしまったのですが、思い入れがある話だったので嬉しいです！ (2020年8月18日 18時) (
レス) id: 97d132fcbf (このIDを非表示/違反報告)
Able(プロフ) - 完結おめでとうございます！一気読みしてしまいました。綺麗事だけではない話でとても切実で、読んでいて感動しました。二人の幸せを願うばかりです。面白い小説をありがとうございました！ (2020年8月18日 11時) (レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん、 | 作成日時：2020年6月13日 0時
