#2 ページ7
ru「めめ!!」
kj「お前、」
dt「……持ち主か」
ラウールは黒マスクに心配そうに声をかけ、向井はラウールの前に立って岩本に警戒を示す。
宮舘も岩本を注意深く観察する。佐久間は岩本達に何かを当てるようにそっと息を吐き出した。
sk「見ない顔だ」
kj「俺も知らん」
iw「ついさっきこの街に来たからな」
岩本が近くの椅子に黒マスクをそっと座らせると、ラウールはすぐに彼に駆け寄った。彼が無事であると分かると安堵の表情で彼に抱きつく。黒マスクは為されるがままだった。
それを横目に、岩本は警戒する大人達に向けて両手を挙げて見せた。
iw「襲われたからとはいえ……あの子を殴った、それは謝る」
目を伏せて話す岩本の話を宮舘達は静かに聞き続ける。
iw「あと、ここを聞き出すために多少脅した。それも謝る」
ラウールが黒マスクを心配そうに見つめる。彼は静かに俯いた。
iw「でもこれ以上は何もしない。あの子達が「異端」だって事も誰にも言わない。俺はただその荷物を返して欲しいだけだ」
dt「そう言われてもね」
向井と宮舘は警戒を緩めないまま目線を交えた。どうするべきか決めかねている。
岩本が何者か分かっていない彼等は、ラウール達が「異端」だと知られた事を懸念していた。
腐ったこの街に住む人間なら、誰が「異端」だろうが「普通」だろうが気にしない。というより興味がない。
しかし岩本は違う。彼はこの街の人間ではない。ラウール達が「異端」であると他の街の誰かに話したりして、万が一にも彼等に危害が及んでは困る。その可能性がないとは言い切れない。岩本は信用できない。
iw「金も服も全部そこにあるんだ、それを返してくれないと流石に生きていけない」
そう言いながら、岩本はテーブルに広げられた自分の荷物に目をやった。誰も何も言わないまま時が流れる。
やがて沈黙を破ったのは、めめと呼ばれる黒マスクの呟きだった。
mg「……そいつも「異端」だって」
sk「……え」
ru「そうなの……?」
iw「まあ……だから誰かに「異端」の事を話したりしない。頼む、荷物を返してくれ。じゃないと一人で生きていけない」
岩本が頭を下げるのを見て向井達は再び目線を交えた。その目つきは先程までの厳しいものではない。
kj「この人も「異端」なら話は別……?」
dt「同類だからね」
iw「え」
空気が変わった事を全身で感じた佐久間が、顔を上げた岩本に苦笑して答えた。
sk「ここにいる俺達……全員「異端」なんだよね」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
